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第179回マーケティングサロンレポート「駄菓子から健康事業へ ~未来へ向けたおやつカンパニーの挑戦~」

第179回マーケティングサロン:東京
テーマ:駄菓子から健康事業へ ~未来へ向けたおやつカンパニーの挑戦~
 
日 程:2023年10月24日(火)19:00-21:00
場 所:目白大学 新宿キャンパス
ゲスト:株式会社おやつカンパニー マーケティング本部 マーケティング戦略2部 部長 香川 玲子 氏
サロン委員:長崎 秀俊、京ヶ島 弥生、佐々木 竜介、森口 美由紀
 
【ゲストプロフィール】
香川 玲子 氏香川 玲子 氏
株式会社おやつカンパニー マーケティング本部 マーケティング戦略2部 部長
メガバンク系シンクタンクおよびブランディングファームでコンサルタントとして経営戦略、マーケティング、ブランド戦略を担当後、菓子・食品メーカーでのマーケティング、新規事業、海外事業部門を経て、2020年におやつカンパニーに入社。現在は主にヌードルスナック以外の新規カテゴリーと健康領域を担当。

 

【サロンレポート】
 「ベビースターラーメン」を食べたことのある方は非常に多いのではないでしょうか。おやつカンパニーは、そのベビースターラーメンを1959年に世に送り出した三重県津市の会社です。以来愛され続けるベビースターラーメンは、その認知率が97.1%、喫食経験率が92.3%という驚異の数字を誇ります。
 とはいえ、少子化によって子どものおやつ市場は徐々に減ってきています。お菓子市場は、小売りの棚をどれだけとれるかにかかっていますが、棚の大半を占めるのはポテトチップスです。そのような中で、どのように会社を成長させていくのか?おやつカンパニーさんが取り組んでいるのが、健康分野への進出です。
 
①BODY STAR
 ボディメイク・カラダづくりを意識した、高タンパク大豆スナック。プロテイン商品は甘いものが多く、しょっぱいものがないことに注目。試食でいただきましたが、ガリっとした歯ごたえが美味しいです。これまでは、筋トレをしている層を意識したプロモーションを行われてきたそうですが、これからは、女性を含むより幅広い層に向けた打ち出し方を考えられているそうです。
https://www.oyatsu.co.jp/product/bodystar/protein-snack/

 

②素材市場「さばのスナック」「いわしのスナック」
 袋いっぱいにサバのイラストが描かれた印象的なパッケージ。魚肉を生地にしっかり練りこんだ、素材のうまみを前面に出した商品です。こちらも試食させていただいたところ、サバの味噌煮の味がしっかりしました。健康系商品で失敗するのは、糖質・塩分・カロリー・脂分をどんどんカットする、「マイナスコンセプト」の商品開発に陥ってしまうから、とのこと。お菓子の美味しさがどんどんなくなっていってしまうそうです。素材市場は、おやつとして美味しく、かつ体に良いもの食べたいという人に選んでもらえる、「プラスオン」をコンセプトとしたそうです。
https://www.oyatsu.co.jp/product/sozai_ichiba/
 
③おやつサプリ
 おやつカンパニーさんが行われた消費者調査の中で、「サプリ摂取者はスナック菓子の喫食率が高い」という結果があったそうです。サプリを摂取する人たちのヘルス・ベネフィットとは、必要な栄養素を摂取できること。では、スナック菓子に気になる成分を加えよう、と開発されたのが「おやつサプリ」です。ベビースターラーメンが一口サイズに丸まったような美味しさと食べやすさ。オフィスでの食べやすさ(小ぶり、においが少ない、齧る音がしない)から、若い女性の比率が他の商品よりも高いそうです。
https://www.oyatsu.co.jp/product/oyatsu_sapuri/
 
【サロンを終えて】
 ベビースターラーメンの圧倒的な認知率と喫食率の高さがあるとはいえ、今後10年、20年先を見据えた施策が求められるスナック菓子市場。ベビースターを中心に若い世代を狙った面白いプロモーションも印象的ですが、ヌードルスナック以外の新たな健康領域で事業を育てていかれている、その開発のお話を伺うのはとても刺激的でした。
 Q&Aで印象的だったのは、幅広い層に広げていくために、「健康」「女性」を意識したパッケージを考えられているおやつカンパニーさんに対して、出席者の多くから「おやつカンパニーらしさを前面に出した方が良いのでは」という意見が出されたこと。ご講演いただいた香川様も大変驚かれていました。
 

 
 健康志向が強まるにつれ、お菓子と健康関連商品の境目がどんどん曖昧になってきています。そういう商品を、スーパーやコンビニでどこの棚に置くのが良いのか。小売りで働くわたしも、非常に考えさせられました。
 
(文責:森口 美由紀)

 
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