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第14回マーケティングサロンレポート
「レクサスの新たなブランド確立への挑戦~Progressive Luxuryを目指して~」

第14回 マーケティングサロン
「レクサスの新たなブランド確立への挑戦~Progressive Luxuryを目指して~」

日程:2013年12月3日(火)19:00~21:00
場所:日本マーケティング協会 東京本部
ゲスト:Lexus International レクサスブランドマネジメント部 部長 高田 敦史氏
サロン委員:新井将能、木村秀雄

 

【サロンレポート】
昨年8月、トヨタ自動車にLexus Internationalというバーチャルカンパニーが立ち上がり、レクサスを最もクールな高級車ブランドにすることを目指しクルマの枠を超えた新しい試みを次々と行なっています。
今年5月にはパペットが登場する新しいブランド広告を展開、8月にはブランド発信拠点として東京の南青山にIntersect by Lexus Tokyoがオープンしました。

今回のサロンでは、高田さんにこれまでの取り組みをご紹介いただきながら、これからレクサスが目指す姿について語っていただくことで、日本発のラグジュアリーブランドをいかにして作るかを考える機会としました。
 
ゲストの高田敦史氏 会場の様子
写真左から、ゲストの高田敦史氏、会場の様子

 

【概要】
レクサスが目指すべき姿 Progressive Luxury
2011年3月、レクサスのグローバルビジョンとして、“日本発『真のグローバルプレミアムブランド』の確立を掲げ、その実現のためにLexus Internationalが設立されました。これまでトヨタ自動車の一部門だったレクサスをヴァーチャルカンパニーとして組織化することで、よりシンプルかつスピード感をもって意思決定をしていこう、という決意の現れです。これにより、レクサスはオープンかつインタラクティブなラグジュアリーブランドを目指し、Progressive Luxuryを実現していくための一歩を踏み出しました。
 

カーブランドからラグジュアリーブランドへ
ドイツ車3社と比較したレクサスのブランドイメージ調査の結果を見てみると、環境、品質、販売満足度は高い評価を得ているが、革新的、感動的、運転の楽しさ、際立ったデザインなどの項目は低い傾向にあることがわかりました。言い換えれば、レクサスの商品は機能的価値は米国、日本どちらの顧客からも高い評価を得ている一方で、デザインやセンスといった情緒的価値については相対的に顧客からの評価を得られていないことが読み取れます。そのため、高田さんは、レクサスブランドを先端的デザイン、感性を呼び起こす、センスが良い、流行の先端を走る・・といったブランドイメージを想起させるクールなブランドにリブランディングすることをミッションとして、レクサスブランドマネジメント部を設立しました。

 

AMAZING INMOTION
レクサスでは、商品やサービスの完璧さだけでなく、驚きや感動が常に生み出されている、というブランドをめざし、2013年5月からAMAZING IN MOTIONというグローバルコンセプトを展開しています。ラグジュアリーの定義自体が2000年以前と今とでは大きく転換しつつあると高田さんは話します。Statusといった他人基準からFunやComfortといった自分基準への転換です。そして、この転換に対応するために、閉鎖的な空間から開放的な場の提供が必要です。そのため、レクサスは、より情報感度の高いハイセンスな層に驚きや感動を提供していく取り組みを行っています。具体的には、Lexusショートフィルムやデザインアワード、Intersect by LEXUSというコンセプトショップのオープンなど、車だけではないレクサスの世界観を広く感じ伝えて行く場を提供することで常に驚きの話題をつくりPRやクチコミへとつなげています。
 
実際の映像はこちらを参照
> http://lexus.jp/brand/index.html

 

レクサスのターゲットは誰か?
ディスカッションでは、こういった取り組みが現在のオーナーである55歳前後の高所得者の離脱にもつながるのではないか?本当にターゲットとなる30-40代の若年層の高所得者にヒットするのか?という論点が中心になりました。レクサスは既存顧客を大切にするという企業文化のもと、ステータス志向でマジメな環境志向の顧客層は取り込んで来ました。しかし、同時に顧客の高齢化を招き、新たな顧客の獲得を困難にしています。
高田さんは、これまで培って来た顧客との信頼関係の上に、今のレクサスの新たな挑戦は成り立っている、と話します。既存顧客を大切にして来た、という自負があるからこそ、顧客離れの起きるリスクをとってまでも新たな顧客層を取り込むチャレンジが出来るのだと感じました。また、調査結果を見ると、ターゲットとなる若年情報先進層に「レクサスは変わり始めた」という認識が強く出ており、今後の更なる継続が非常に重要であると感じます。

 

集合写真
集合写真(前列中央 ゲストの高田敦史氏)

 

【サロンを終えて】
高田さんの「今後のラグジュアリーマーケットを考えると、より先進的で感性的な価値観を持っている人が増えて行くことは確実である。そのマーケットを取るために、ある程度の無駄うちをすることは仕方ない」という言葉が印象的でした。レクサスブランドの世界観をイベントやコンセプトショップを通じて表現し、常に驚きと感動を提供して行くことが、ラグジュアリーブランドを創るためには必要であると強く感じました。
日本発カーブランドからラグジュアリーブランドへの転換は今始まったばかり。高い商品力を誇るジャパンブランドが、グローバルでどこまで通用するのか、レクサスの今後の躍進にますます期待が高まります。

 

(サロン委員:新井将能、木村秀雄)

 
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