和文誌マーケティングジャーナルが和英混載誌に生まれ変わりました |
2024.07.19
雑誌改革のお知らせ
日本マーケティング学会の学会誌『マーケティングジャーナル』は、第43巻(2023年)まで、和文論文を専門に掲載する雑誌でしたが、第44巻(2024年)から、和文論文と英文論文を混載する雑誌へと生まれ変わりました。
今後、著者の皆さまには、和文論文のほか英文論文の掲載をお選びいただけます。英文論文を掲載いただきますと、それだけで、和文論文では全く期待できないような世界中からの閲覧や引用を受け、世界レベルのマーケティング理論と実務の探究と創発に対して、大きなインパクトを及ぼしていただけるようになるでしょう。奮ってご投稿いただけましたら幸いです。
他方、読者の皆さまには、掲載論文が英文化するとご不便をおかけしますが、和訳付録を添えるようにしましたので、それを一瞥して興味を抱いていただいた論文を、英文本文を機械翻訳に通すなどして、ひきつづきご愛読いただければ幸いです。
さて、今回の機会に、その他の様々な改革も実行しました。著者の皆さまに英文論文の掲載を促すため、はじめから英文で執筆して審査を受けていただいてもよいのですが、和文で執筆するほうが楽であれば、和文で審査を受け、採択を勝ち取った後に英訳いただき、英文論文を掲載いただくという、通称「後から英訳」制度を立ち上げました。
また、英作文の苦労を最小化しながらアイディアを迅速に論文にまとめていただける、最大5ページのショートペーパー、「レター論文」と、前年度の学会賞受賞論文を英訳して再掲載し、当誌きっての秀作論文の内容を世界に発信することを目論む「受賞論文」を、新しい原稿種別として設置しました。
それに加えて、論文審査員を2名から3名に増員したり、審査を通過した論文を雑誌出版前にお読みいただけるように「早期公開版制度」を拡張したり、著者が論文執筆に使用したデータを読者にシェアする「データ公開制度」を整備したりするなど、最先端の国際標準に合わせた改革を行いました。
著者を剽窃批判から守るための刊行前の剽窃チェックを、従来どおり厳しく運用するのに加えて、英文法チェックも新規に運用いたします。また、コンテンツに対する査読に加えて、書式に対するチェックも、人数を増員して対応いたします。さらに、持続的な閲覧解析やヒアリングに基づいて、読者の皆さまの関心の高いトピックやメソッドの特集の立案や論文の採択に努めてまいります。
こうした改革に合わせて、当誌の英文雑誌名は、これまで、Japan Marketing Journalでしたが、日本の枠に納まらない雑誌を目指して、Quarterly Journal of Marketingへと改称しました。旧和文雑誌名『季刊マーケティングジャーナル』に着想を得た命名です。
また、この改称に伴い、従来の「mj」ロゴ付きの雑誌表紙をデザインいただいたHAKUHODO DESIGNの永井一史氏にデザインを担当いただき、「qjm」ロゴを表紙に掲げることにいたしました。
いまや、日本マーケティング学会は、日本の経営・商業フィールドにおいて最大の学会員数を誇る巨大学会に成長し、それに伴って当誌『マーケティングジャーナル』は、最も多くの数の最も優秀な論文を集める雑誌に成長してきました。それはひとえに、著者、匿名審査員、読者、そして、歴代の偉大な編集委員長、編集委員、事務局の皆さまのご尽力のたまものです。
学会内外の皆さまのお力で国内での目標を達成することのできた今、『マーケティングジャーナル』は、世界を目指します。その第一歩を、皆さまと共に踏み出したことを、ここにお知らせいたします。
編集委員長 / 慶應義塾大学 商学部 教授
小野 晃典