ニュースリリース

第196回マーケティングサロンレポート「全てのマーケッターが知るべき、中国インバウンドマーケティングの基礎」

第196回マーケティングサロン:オンライン
 
テーマ:全てのマーケッターが知るべき、中国インバウンドマーケティングの基礎
 
日 程:2024年8月22日(木)19:00-20:30
場 所:Zoomによるオンライン開催
ゲスト:何 暁霞 氏(クロスボーダーネクスト株式会社)
    王 璇 氏(一般社団法人日中ツーリズムビジネス協会 代表理事 / ENtrance株式会社 代表取締役社長 / 日本政府観光局(JNTO)中国市場戦略 顧問)
サロン委員:寺﨑 新一郎(コーディネータ・司会)、依田 祐一
 
【ゲストプロフィール】
何暁霞氏何 暁霞(カ ギョウカ)氏
2009年4月~大手アフィリエイトASP(日本大手ECサイトのアフィリエイトマーケティング、ネット広告出稿提案を担当)。2011年4月~中国マーケティング会社(中国向けSNSマーケティング事業の立ち上げ、営業企画責任者を経て、2014年~中国越境購入とバイヤー向けのメディアを立ち上げることとともに、メディア事業責任者として、インバウンドと越境購入ニーズの統合を目指すプラットフォームの構築と事業拡大を担当。2016年11月~Cross-Border Next, Inc.を創業。自社メディア哈啰日本(HelloJapan)や微博(ウェイボー)、RED(小紅書)MCNを立ち上げる傍ら、中国越境EC、インバウントマーケティング支援事業を展開中。自身もインフルエンサーとして日本の情報を中国に向けて発信。
 
王璇氏王 璇(オウ セン)氏
早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。2016年よりインバウンド戦略コンサルとして、行政や日系企業のマーケティング戦略支援および新規事業開発に携わる。2019年ENtrance社を設立する同年、JTB、Trip.comらと一般社団法人日中ツーリズムビジネス協会を創設。中国語通訳案内士。岩手県雫石町観光大使。

【サロンレポート】
何暁霞氏「2024年中国インバウンドマーケティングの課題と成功事例」
 何氏からはまず、インバウンドマーケティングの現状として(一人当たり)インバウンド消費額の推移や訪日外国人旅行消費額が語られた。その後、訪日旅行市場、中国国内、日本企業のインバウンド発信の3つの観点から課題が説明された。次に、日本企業の成功事例として、RED(小紅書)を活用した免税予約システムのプロモーションが紹介され、ROAS(広告費用対効果)は30倍に上ることが示された。続いて、中国マーケティングの鍵としてインバウンド発信は「Dream」を見せることの重要性が強調された。例えば、絶景、お役立ち情報、リアルなお店巡り情報などを効果的に発信することで、高い成果が見込めるという。最後に、中国国内の主要な年間イベントとプロモーション策について簡単に触れることで締めくくられた。
 

 
王璇氏「訪日旅行の現場からみる中国富裕層獲得の事例と課題」
 王氏からは中国人訪日富裕層の理解から富裕層マーケティングの嘘と本当、訪日中国マーケティングはじめる前に知っておくべきこと、地域ブランディングについて順次説明が行われた。日本人とは異なり、中国人富裕層の定義は負債や不動産を除く純資産ではなく、総資産で統計が取られていること、日本円で3000万円以上の総資産を持つ富裕層が中国国内に400万人ほどいることが説明された。その中で、いくつかの具体的な人物が事例として紹介され、外資系メーカーのマーケティング担当者、自営業者、広告代理店社員などが挙げられた。以上から、マーケターはプチ富裕層を狙うべきとの結論に至ったという。プチ富裕層の中には日本留学経験者が多く事例として挙げられ、彼(女)らに実際に提案した旅程が示された。その後、地域ブランディングのカギとして、認知の向上、訴求点の見直し、着地力の強化が挙げられた。
 

 
【サロンを終えて】
 日本国内を旅行する中国人については具体的なイメージがわきやすくなってきている一方、中国国内でどのように訪日旅行がプロモーションされているかや、訪日旅行者の具体像やニーズについて、中国人目線から掘り下げた情報はあまりみられない。こうした点で本サロンは多くの研究者、実務家の関心を引くものであり、今後も情報収集と実践を通して多くのことが学べるものと期待される。
 

 
(文責:寺﨑 新一郎)

 
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