ニュースリリース

第13回マーケティングサロンレポート
「ビッグデータ時代のマーケティング
 戦略」

第13回マーケティングサロン
「ビッグデータ時代のマーケティング戦略」

日程:2013年11月18日(月)19:00~21:00
場所:日本マーケティング協会 東京本部
ゲスト:アプライド・プレディクティブ・テクノロジーズシニアバイスプレジデント(日本代表)及川直彦氏
サロン委員:三谷暢宣・高村和久

 

【サロンレポート】
情報技術の進化により、企業は、これまでより多様な情報源からの大量のデータを分析に活用し、これまでとは全く異なるレベルの高い精度の意思決定が可能になると言われています。そして、最近では「ビッグデータ」というキーワードとともに、このような分析に対する期待が高まっています。
 
一方で、ビッグデータを活用した分析については、まだ期待が先行している状況であり、何からどう手をつけたらよいかで悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
 
今回のマーケティングサロンでは、これまで数多くの企業において情報技術を活用した戦略の立案を支援し、この10月からアプライド・プレディクティブ・テクノロジーズ社のシニアバイスプレジデントに就任した及川直彦さんにご講演いただきました。
 
アプライド・プレディクティブ・テクノロジーズ社は世界最大のクラウドベース予測分析ソフトウェア会社であり、2013年10月1日に東京オフィスを開設しました。及川さんは初代の日本代表になります。予測分析ソフトウェア「Test&Learn」(実験と学習)は、ウォルマート、ファミリーマート、サブウェイ、マクドナルド、スターバックスコーヒー、ヒルトン・ホテル、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど、世界的な大企業に採用されており、クラウドに集積された多くの情報源からのデータを用いた分析結果を顧客に提供しています。
 
今回のご講演は「ビッグデータ時代のマーケティング戦略」と題し、今までのマーケティングについて総括すると共に、ビッグデータを活用したこれからのマーケティング手法についてのお話を頂きました。

 

ゲストの及川直彦氏 会場の様子
写真左から、ゲストの及川直彦氏、会場の様子

 

【概要】
これまでのマーケティング
はじめに、Shawの「マーケティング」概念の提唱に始まり現在に至る、これまでのマーケティングについてのご説明がありました。P&Gの「アイボリー」の事例や、「マーケティング・ミックス」などの概念の説明に加え、インターネット時代のマーケティングとして、「リレーションシップ・マーケティング」、「ワン・トゥ・ワン・マーケティング」、Hoffman and Novakの「パイパーメディアCMEにおけるマーケティング」、Payne and FrowのCRM(Customer Relationship Management)等の重要な概念が紹介され、マーケティングに関連する知識が俯瞰されました。

 

ビッグデータの意味合い
次に、このようなマーケティングに関する知識を踏まえ、「ビッグデータを用いる分析」が今までと本質的に何が異なるのかについて説明されました。ビックデータが取り扱う情報は、「量の多さ」・「鮮度」・「多様性」が今までとは全く異なり、これがデータ分析の方法と結果に影響します。事例として、Googleが行った新型インフルエンザの流行予測などが取り上げられ、ビッグデータによる分析が、従来の「因果関係に基づく絞り込まれた分析」とは全く異なるアプローチを可能にすることが説明されました。

 

ビッグデータを活かした新たなマーケティング
このような特徴をもつビッグデータ分析は、どのような形でマーケティングに活かすことができるでしょうか?
 
及川さんはV.M=ショーベルガー & K.クキエ著『ビッグデータの正体』を引用しながら、分析に活用できるデータの種類が増え、データ間の相関関係を数多くの組み合わせで検証できる情報環境が整っていると指摘。ある行動を起こした理由すなわち「因果関係」を重視したアプローチから、その行動と関連性の高い結果すなわち「相関関係」を重視するアプローチが注目されるようになるだろうと説明されました。
 
さらに、「まだ未完成」と述べつつ、店舗内行動・メニューの最適化・ターゲティング広告・在庫最適化・来店誘導などの多くの事例をマーケティングミックス(Product/Price/Promotion/Place)の切り口から整理し、その各々について、ビッグデータを活用した分析が有効であることを示されました。ビッグデータの多様性とデータの多さを活用すれば、解決策となりえる仮説の数が増加します。また、解決案の「効果の検証」フェーズにおいても、データ収集と分析を自動かつ高速に行うという、ビッグデータ分析の特徴が活用できます。
 

質疑応答
質疑応答では、下記のような興味深い論点が議論され、活発な意見交換が行われました。
・ビッグデータでセレンディピティを発見できるか?
・顧客行動の分析の事例は「ビッグデータ以前」から同様のことが行われていた。ビッグデータで何が変わるのか?
・「解決策の仮説を作る組織」と「データを採って検証する組織」は別にしたほうが良いか?

 

集合写真
集合写真(前列中央 ゲストの及川直彦氏)

 

【サロンを終えて】
及川さんの経験に裏打ちされた説得力のある説明により、クラウドベース分析の良さを理解することが出来、大変有意義なサロンでした。質疑応答を通じて、ビッグデータの活用方法を様々な切り口から見せて頂くことが出来ました。また、「昔、何度も徹夜して行った作業を、自動で高速に行う事ができるようになった」「空(現状の把握)・雨(意味合いの抽出)・傘(解決策の策定)の各ステップをいかに強くするか」「答えが分かれば、理由は要らない」等の印象に残るコメントがいくつも登場し、質疑応答でも様々な興味深い論点が提示され、終了後に長く余韻が残る印象的なご講演でした。より多く、より多様性の高いデータを持つことが、より良い意思決定に繋がるビッグデータ分析。多くの業界において採用され、実購買データに加え、天候データ、オンラインメディア接触データなども統合してクラウドを進化させているアプライド・プレディクティブ・テクノロジーズ社は今後も要注目です。

 

(サロン委員:三谷暢宣、高村和久)

 
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