第15回マーケティングサロンレポート 「大ヒット調理家電 ノンフライヤーのマーケティング」 |
第15回 マーケティングサロン
「大ヒット調理家電 ノンフライヤーのマーケティング」
日程:2014年2月7日(金) 19:00〜21:00
場所:日本マーケティング協会 東京本部
ゲスト:(株)フィリップス エレクトロニクス ジャパン コンシューマーライフスタイル事業部 マーケティング マネージャー 佐野 秦介 氏
サロン委員:依田祐一、高橋千枝子、東口晃子
【サロンレポート】
今回のサロンは、カテゴリー創造のマーケティングに焦点を当てました。注目した製品は、油を使わずに揚げ物を調理できるキッチン家電「ノンフライヤー」です。
今回、マーケティングの責任者である佐野氏から、ノンフライヤーによる調理や試食を体験させていただきつつ、同商品の開発についてお話しいただきました。
【概要】
・ 消費者は健康志向へシフトしている。特定保健用食品、健康補助食品、そしてノンオイル、カロリーオフ、糖質ゼロ など。
・ 揚げ物を好む日本人。週2回以上、65%の日本人が揚げ物を食べている。
・ ターゲット主婦のジレンマは、「揚げ物は食べさせてあげたい、一方、健康が心配。」
・ そこで、油を使わずに揚げ物ができる「ノンフライヤー」が投入される。
・ <技術>高速空気循環技術。容器内で200度の熱風を高速に対流循環させて、食材に含まれる油を使って揚げる為、脂肪分を大幅にカット(最大80%)できる。また食材を一気に加熱して、サクサク感を出す。
・ <技術>エアーサーキュレーション技術。食材の油で表面を均一に加熱し、旨味を閉じ込める。
・ 欧州で2010年に発売されたPhilips “ Airfryer”を、消費者調査に基づいて、ネーミングや製品仕様を変更するなど、フィリップスジャパンが日本市場にローカライズして商品化(2013年4月より発売)。「カンタン」「ヘルシー」「おいしい」の3つの特長を有する。
【サロンの様子】
写真左から、講演中の佐野氏、グループディスカッション/試食の様子
調理の様子
【サロンを終えて】
マーケターの佐野氏は、「マーケティングらしく」ということで、参加者が講演にて聞きたいことや期待することを冒頭にて把握し、それらの要望に応える形で説明を組み立てつつ、お話しをされました。若手の製品担当者のご活躍の詳細などを含め、少数精鋭の体制で行った商品企画からプロモーションまでの一連のマーケティング実践の内容を踏み込んでご紹介していただきました。加えて、同商品による調理や開発されたレシピによる試食の体験は、同商品の理解が促進される場になったように思われました。
佐野氏のサロン参加者の立場に立ったご講演や試食など、本サロンでは同氏のプロフェッショナルなマーケティング志向にも触れさせていただきました。
最後に、この場を借りて、ゲストスピーカーをお引き受けいただきました佐野秦介様、積極参加をいただきました学会員の皆様に、あらためて心より感謝申し上げます。
集合写真(前列左から5番目がゲストの佐野秦介氏)
(サロン委員:依田祐一、高橋千枝子、東口晃子)