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第220回マーケティングサロンレポート「ブランドは補完か、進化か:拡張に向けたマーケティング実践からの学び」 |
第220回マーケティングサロン:東京
テーマ:ブランドは補完か、進化か:拡張に向けたマーケティング実践からの学び
日 程:2025年12月23日(火)19:00-20:30
場 所:法政大学 市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー 25階(研究所会議室5)
ゲスト:浅見 慎一 氏(大塚製薬株式会社 ニュートラシューティカルズ事業部 製品部 ヘルスプロモートブランドチーム 兼 新規プロジェクトチーム リーダー)
サロン委員:大伴 崇博、米満 良平、西川 郷介、大田 仁美、丁子 詩織
【ゲストプロフィール】
浅見 慎一 氏
早稲田大学 人間科学部 スポーツ科学科を卒業後、大塚製薬株式会社に新卒入社。ニュートラシューティカルズ事業部の営業担当として横浜支店に配属され、約7年にわたりエリア活動・量販店への提案営業に従事。その後、本社営業企画部を経て、製品部にてマーケティング業務に携わり8年間ポカリスエットプロダクトマーケティングマネージャーとして歴任。現在は、同じく製品部にてネイチャーメイドなどを含むヘルスプロモートブランドチームならびに新規事業担当リーダーとして活躍中。ブランドの長期的価値を高める視点から、コンセプト設計・パッケージ開発・市場導入戦略を統括している。
ポカリスエット担当時代は、汗をかくライフスタイルと親和性の高い「サウナ×ポカリスエット」の展開や、新カテゴリー「イオンウォーター」の立ち上げなど、ブランドの“再定義”と“利用シーン拡張”に注力。
【サロンレポート】
今回のマーケティングサロンでは、大塚製薬株式会社より浅見氏をお招きし、ブランドマネジメントに関する考え方やサブブランドの捉え方、ならびに新たな生活文脈への展開に関する取り組みについてご講演いただきました。当日は、実務家に加え、学部生や大学院生など幅広い年齢層から30名を超える参加があり、質疑応答も含め活発な意見交換が行われるなど、盛況な会となりました。
講演ではまず、ロングセラーブランドを担当する中で直面してきた課題や経験を踏まえ、これまでの取り組みやブランドの背景を振り返りながら、ブランドを継続的に展開していく上での基本的な考え方が紹介されました。続いて、大塚製薬の企業理念を起点として、医療と健康維持をつなぐ製品思想や、同社が長年にわたり取り組んできた価値創出の方向性について説明がなされました。
また、主力ブランドの事例を通じて、市場環境や生活者意識の変化をどのように捉え、ブランドの意味づけやコミュニケーションの在り方を見直してきたのかが概説され、若年層を含む生活者との関係性を再構築するための工夫についても言及がありました。あわせて、サブブランドの位置づけや役割については、既存ブランドを補完しながら新たな文脈へと展開していく視点が示され、特定の生活シーンへの着目がどのように導かれたのかについても紹介されました。
さらに、マーケティング調査や生活者理解に関しては、送り手と受け手の前提が必ずしも一致しないことを踏まえ、表層的な数値把握にとどまらない問いの立て方や解釈の重要性が指摘されました。質疑応答では、こうした取り組みをどのように評価し、組織内外で共有していくのかという点に関心が寄せられ、短期的な成果指標だけでは捉えきれない側面について意見交換が行われました。
本サロンは、具体的な実務経験に基づく事例を通じて、ブランドと生活者との関係性をどのように捉え、長期的に育んでいくのかについて考える機会を提供するものであり、実務と研究の双方にとって示唆に富む場となりました。

(文責:西川 郷介)

