日本マーケティング学会 共催 2014年7月度 嶋口・内田研究会レポート 「ブライダル市場を2倍に!眠っていた市場を掘り起こす」 |
日本マーケティング学会 共催 2014年7月度 嶋口・内田研究会レポート
「ブライダル市場を2倍に!眠っていた市場を掘り起こす」
日程:2014年7月24日(木)19:00~20:30
場所:社団法人日本マーケティング協会
講師:株式会社みんなのウェディング 代表取締役社長 兼 CEO 飯尾 慶介 氏
共催:日本マーケティング学会
【レポート】
結婚は人生のライフイベントで最も大きく、結婚式は最も大きなプランニングでもあります。
飯尾氏が代表を務める株式会社みんなのウェディングでは、「みんなの願いを一緒に実現する会社」という経営理念のもと、初めての結婚式を「どこで、どのようにする」といった不安を抱える花嫁花婿に向けて、結婚式場の口コミや実際の費用明細が見られるサイトの運営を行っています。さらに、年間婚姻件数66万組の内、約半数が挙式を行っていない「ナシ婚」層向けのサービスを展開しています。たとえば、ナシ婚の三大理由のひとつである「さずかり婚」(結婚期間が妊娠期間より短い出生の嫡出第一子出生に占める割合)が全国平均で25%を超過し、結婚式を行っていない若ママ層の90%以上が「ファミリーウェディング」に興味があるという傾向から、マタニティウェディングやファミリーウェディング情報を提供する「みんなのファミリーウェディング」サイトを運営。また、「セレモニー的行為が嫌」という「ナシ婚」層には、オリジナルウェディングプロデュースサービス「Brideal」を展開するなどしています。
眠っていた市場の掘り起しを行うことで、ブライダル市場の拡大を目指しています。今後もそのユーザーニーズは拡大していくと同時に事業展開も拡大していくという、貴重なご講演でした。
飯尾慶介氏
【概要】
みんなのウェディングの強み
- メディアパワー
本音の口コミ、実際の費用明細を掲載する結婚式場選びのサイト
➡ユーザー目線を徹底した300文字以上の本音の口コミ、実際費用が集客力の源泉 - 新たな市場創出に向けた取組み
妊娠・育児で結婚式を諦めている層にファミリーウェディングを啓蒙し、新たな結婚式市場を創出 - プロデュース:Brideal
花嫁・花婿が理想とする結婚式をオーダーメイドでプロデュース
市場の課題
(ユーザー)
・結婚式の情報が一方的
・半数が結婚式を挙げないナシ婚(クライアント:式場・関連業者等)
・高い広告費を投資し続ける
・婚姻届出数が減少
・結婚式は人生1回
ストック×フローの収益モデル
市場の課題を解決するため、多様な課金モデルを提供し、式場掲載料は年間契約のストック型、その上に成果報酬や成功報酬のフロー型の収益、広告料を加えた収益モデルを構築しています。
【研究会を終えて】
本レポートではお伝えしきることができませんが、当日は、豊富な例示を交えて、とてもわかりやすくご講演をいただきました。70名を超える来場者は、研究者、実務家双方から多数お越しいただきました。結婚式というライフイベントそのものが1回限りという背景にある、さまざまな市場環境・課題とその解決する事業モデルについて、出席者からもさまざまな見地からの質問が多数あり、活発かつ有意義な研究会でした。
写真左から、飯尾慶介氏、会場の様子
(文責:嶋口・内田研究会事務局 早稲田大学ビジネススクール内田ゼミM1 品田貴志)