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日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.7 |
「アート」と「マーケティング」を巡る争点の乱立に対する検討素材 |
ラ・フォル・ジュルネ,PMF,赤坂迎賓館 |
森 泰規 株式会社 博報堂 BID局 ディレクター |
発行:2018年10月08日 |
分類:一般報告 |
掲載形態:フルペーパー |
要約 : 筆者は自らクラシック音楽分野の演奏家でもあり,演奏においても顧客の創造と維持,すなわちマーケティング活動のあるべき姿を構想しており『国家戦略2016』など政府方針が文化財公開による観光活性化を打ち出したように芸術分野に「マーケティング」的発想を求める方向への機運を感じている。ただ芸術活動についてマーケティング的視点での実証的調査データは少なく,あっても来場者アンケートなどの資料にとどまることが多い。そこで,基本的な来場実績・メディア等による間接的体験について全国の生活者男女1000名に調査を実施した。 結果,ラ・フォル・ジュルネ,PMFの来場体験者は約3%,間接的体験者は約2%であり,実来場者はすそ野を広げる活動と評価する一方,本質的な聴衆の開発につながらないとの指摘もあり,実際に他音楽祭からの流入効果が3-5割であることに対し,送客効果は2-3割と相対的に低率であった。合わせて,赤坂迎賓館,法隆寺,長崎・潜伏キリシタン遺産(世界遺産)の活用に向けては,実体験・間接体験が進むほど,保全か公開かについて意向が明確となるため,まず実態を理解させることが,今後の協議発展のカギであることが示唆された。 |
謝辞 : |
キーワード : 芸術文化 ラ・フォル・ジュルネ PMF 文化財公開 文化遺産の活用 |
ページ : pp.94-104 |
ファイルサイズ : 571KB |
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