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日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.11 |
電気自動車の走行音は商品の魅力を高めるか? |
日本の自動車業界におけるガソリン自動車のエンジン音との比較検証 |
加藤 拓巳 明治大学 商学部 専任講師 |
横手 龍次 本田技研工業株式会社 研究員 |
発行:2022年11月11日 |
分類:一般報告 |
掲載形態:フルペーパー |
要約 : プロダクトサウンドは商品特性を感覚的に伝える有効な手段である。しかし,自動車業界では,長らく騒音削減という負の解消が議論の中心であった。その状況に,急速に変化が起きている。ガソリン自動車のエンジンから電気自動車(electric vehicle, EV)のモーターへ転換し,静粛性が高まったことで,企業は魅力的な音の開発を進めている。しかし,EVにおける走行音の学術研究に目を向けると,静かさゆえに新たに生まれた問題である,歩行者の安全性の保護に限定されている。そこで,本研究では,ガソリン自動車と比較した,EVの走行音が商品の魅力に与える影響を明らかにした。テストコースで撮影・録音した映像と走行音を用いて,同条件の映像を制作し,オンライン調査環境でランダム化比較試験を実施した。その結果,ガソリン乗用車,ガソリンスポーツ車と比較して,魅力と購入意向ともにEVは最も高い評価となった。カイ二乗検定の結果,ガソリンスポーツ車と比較して,EVは商品魅力に有意な正の影響を与えた。この結果は,EVの走行音に関して,騒音削減や安全性保護より議論を先に進め,サウンドデザインによる価値創造の重要性を示している。 |
キーワード : 感覚マーケティング プロダクトサウンド EV Tesla ランダム化比較試験 |
ページ : pp.88-95 |
ファイルサイズ : 639KB |
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