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日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.12 |
日本企業のジェンダーギャップ解消に向けた組織変革に関する事例研究 |
―ESGの観点からの考察― |
夏山 麻侑子 一橋大学大学院経営管理研究科 修了生 |
発行:2023年11月20日 |
分類:一般報告 |
掲載形態:フルペーパー |
要約 : 今日の企業にとってESGへのコミットメントは,資金調達や人材採用,購買促進等,マーケティングの観点からも重要なテーマである。本稿は,ESGへの関心の高まりという潮流の中で,日本企業のジェンダーギャップ解消がなぜ進まないのかについて,組織変革プロセスの観点から明らかにすることを目的とする。組織変革に必要な第一段階目は「危機意識を高めること」であるが,多くの日本企業においてジェンダーギャップに対する課題意識は希薄である。このため,危機意識に焦点を当てたリサーチクエスチョンを設定し,「同類性選好」および「環境脅威認知力」の両観点から2つの仮説を導出し,インタビュー調査によって反証的に仮説検証を実施した。調査の結果,仮説はいずれも支持された。また,ジェンダーギャップに対する危機意識が高まるか否かは,同類性選好による安心感(仮説1)と,外部環境の脅威を認知する力(仮説2)のどちらが優勢になるかが要因であった。加えて,組織変革プロセスの第一段階である危機意識が高まる前には,危機意識の種を発見する「第0段階」がある可能性が明らかになった。 |
キーワード : ダイバーシティ 8段階の組織変革プロセス 危機意識 環境脅威認知 |
ページ : pp.261-267 |
ファイルサイズ : 619KB |
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