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日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.12 |
「営業」は日本固有の概念か |
営業概念に関する歴史的研究 |
脇 穂積 流通科学大学 人間社会学部 特任准教授 |
発行:2023年11月20日 |
分類:一般報告 |
掲載形態:フルペーパー |
要約 : これまで日本の営業研究では,「営業」概念そのものの検討はほとんど行われてこなかった。本稿では,歴史資料を用いて「営業」概念の登場,意味,その変遷等を明らかにしている。日本における明治期以前の「営業」概念は,家を基本単位とした「生計を立てるための営み」という意味を持っていた。その後、明治政府関係者によって,国家を基本単位とした「西洋文明進歩の機動力となる国民の総生産力」という新しい意味に転換された。この新しい意味を,国民は大蔵省が導入した新税「営業税」を介して認識させられることになった。現在は,営業担当者や営業部など具体的機能を指す言葉として一般的に使用されているが,「営業部」の原初形態について企業での生成過程を確認すると,「販売機能」とは全く関係ない「事業あるいは業務」そのものを表現していることも明らかとなった。 このように「営業」概念の,言語的変遷,機能的変遷,概念から実体への投影,といった歴史プロセスの検討という分析視座は,「営業概念とは何か」「営業活動とは何か」について一定の回答を与えることが可能であり,今後の営業研究に大いに貢献できるはずである。 |
キーワード : 営業研究 概念の操作的定義 イエムラ論 |
ページ : pp.243-249 |
ファイルサイズ : 541KB |
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