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| 日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.13 |
| 寄付をしない理由の正当化プロセス |
| 水師 裕 国士舘大学 経営学部 准教授 |
| 発行： |
| 分類：一般報告 |
| 掲載形態：要約 |
| 要約 ： 個人の慈善寄付を促進する要因についての研究は蓄積されているが，なぜ寄付をしないのかの理由について検討した研究は乏しい。そこで，本稿では，日本人が寄付をしない理由に関し，調査によって得られた自由記述データを用い，テキストマイニングを用いて検討することを目的とした。具体的には，新型コロナウイルス感染禍の初期において実施したインターネット調査を通じて回収した自由記述データを対象にテキストマイニングを行い，寄付をしない理由に関わるいくつかのトピックを発見した。これらのトピックをもとに意味文脈を解釈したところ，「寄付への無関心」と「主観的生活苦」が「困窮者は寄付などに頼らず自己責任で現状を打破すべし」という自己責任論を正当化し，その正当化によって「寄付への無関心」と「主観的生活苦」がさらに強固なものとなるという，「自己責任社会」が正当化される再帰的プロセスを見出した。そして，この正当化のプロセスの帰結として，「寄付の無意味化」，「寄付出費への抵抗」，「国への責任転嫁」が生じることを見出し，日本人が寄付をしない理由の仮説的概念モデルを提示した。 |
| キーワード ： 慈善寄付 新自由主義 自己責任意識 システム正当化理論 |
| ページ ： p. |
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