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日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.13 |
責任あるイノベーションにおける市場志向の有効性に関する実証研究 |
―生成AIや培養肉は倫理的に正しいか?を問うガバナンスに向けて― |
川上 智子 早稲田大学 経営管理研究科 教授 |
林 泰弘 早稲田大学 理工学術院 教授 |
根本 直子 早稲田大学 経営管理研究科 教授 |
Shashi Matta アイヒシュテット・I・カトリック大学教授 |
Maximilian Bauer E・I・カトリック大学博士課程 |
Anna Reith E・I・カトリック大学博士課程 |
Linda Hamdi-Kidar トゥールーズ・ビジネススクール 教授 |
発行: |
分類:一般報告 |
掲載形態:フルペーパー |
要約 : 経済成果の追求だけでなく,地球環境や社会課題の問題解決の重要性が高まる中,イノベーションの方向性や倫理性が問われている。本稿の目的は,科学技術や政策の観点で長年,議論されてきた「責任あるイノベーション」と,マーケティング分野の主要概念である市場志向との関係を考察することである。この目的の下,使用理論アプローチを用い,日本企業20社27名を対象に,責任あるイノベーションの現場における実践について定性的に調査し,先行的な市場志向,経営層のアテンション,政策や規制のプレッシャーが促進要因であるという仮説を導いた。次に,日本の製造業の部長以上の役職者160名に質問票調査を実施し,先行的な市場志向が責任あるイノベーションの実践,財務面・非財務面の企業成果に正に影響することを実証した。本稿は,責任あるイノベーションの概念をマーケティング分野に導入し,先行的市場志向が重要な役割を果たすことを実証した点で,理論的・実践的な意義がある。その発見事項に基づけば,先行的市場志向の強い企業ほど,倫理性の高いイノベーションを実現し,財務・非財務の両面で高い企業成果を挙げる可能性が高いといえる。 |
キーワード : イノベーションの倫理性 使用理論(TIU)アプローチ 定性的研究 定量的研究 企業成果 |
ページ : pp. |
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