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日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.13 |
文化資本の有無により見分ける心理的安全性と業績の関連 |
ブルデュー社会学とPBR,ROE |
森 泰規 コンサルタント |
発行: |
分類:一般報告 |
掲載形態:フルペーパー |
要約 : ブルデュー(Bourdieu, P., & Richardson, J. G. 1986) は「資本の形態は,経済資本,文化資本,ソーシャル・キャピタルという三資本に分類でき,文化資本とソーシャル・キャピタルは経済資本に変換しうる」とした。むろん文化資本と経済資本は一定程度独立に機能する (Jenkins 2013) 前提で経済資本に変化することもあるという主旨なのだが,今回筆者は以上の整理に基づき,組織開発の分野で計測指標として用いられる心理的安全性(Edmondson 1999)と企業業績の関係を読み解く際に文化資本が概念装置として果たす役割を検討する。結果,勤労者2000名に対する調査でのロジスティック回帰モデルより,心理的安全性を示す7つの指標のみではPBR1倍以上/ROE8%以上との有意な関連性を示さず,本人年収・年齢といった本人背景や,成果に対する緊張度を含めてもなお見いだせない。一方,文化資本の有無を基に層別化すると両群に説明力がみられ,かつ,その説明要因はそれぞれ異なる。よって文化資本の有無で企業を区分すると心理的安全性と業績評価への関連を見出すことができ,かつその説明の経路も文化資本の有無により異なっていることが示唆された。 |
キーワード : 文化資本 ブルデュー 心理的安全性 PBR ROE |
ページ : pp. |
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