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日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.14 |
喫茶店のクラフトパーソンシップがもたらすロイヤルティ |
キーコーヒーを対象としたエシカル特性の消費者価値への転換の店舗実証 |
加藤 拓巳 東京大学 CGC 客員研究員 |
関口 友則 東京大学 CGC 客員研究員 |
黒木 鷹 キーコーヒー株式会社 係長 |
田中 正登志 キーコーヒー株式会社 執行役員本部長 |
中野 正崇 キーコーヒー株式会社 取締役常務執行役員 |
梶川 裕矢 東京大学 CGC 教授 |
発行: |
分類:一般報告 |
掲載形態:フルペーパー |
要約 : 本研究は,カフェ市場を対象とした3つの調査により,エシカル消費における態度と行動の乖離のパラドックスの解決を図った。Study 1では,社会的望ましさバイアスの影響を抑えるため,店舗と農園の人権・環境というエシカル特性に加え,主要因(ブランド,商品,店舗,スタッフ,価格)を網羅してロイヤルティ要因を評価した。その結果,商品とブランドが顕著な正の効果を示した一方,人権と環境は有意な効果は検出されなかった。つまり,現状のエシカル特性は消費者視点では価値になり得ていない。Study 2では,店舗と農園の人権・環境を価値に転換するコンセプトを策定し,オンライン調査環境でのランダム化比較試験で検証した。クラフトパーソンシップの知見に基づき,マスター,「もったいない精神」,素材の質・産地のこだわりという喫茶店文化の魅力を実証した。Study 3では,行動での評価に拡張するために店舗実験を行った。その結果,従来のエシカル特性に比べて,クラフトパーソンシップの訴求は有意に売上が増加した。意義の大きいサステナビリティを社会に根付かせるには,価値の明確化が重要であり,本研究は1つの方針を示した。 |
謝辞 : 本研究の遂行にあたって,キーコーヒー株式会社 経営企画部 室長 岡野絢氏,同 マーケティング本部 係長 菅生瑛子氏,同 伊藤瑚桃氏,株式会社博報堂 SXプロフェッショナルズ ビジネスプロデューサー 佐宗謙一氏, 同 クリエイティブディレクター 井口雄大氏, 同 PRディレクター島田圭介氏, 日本電気株式会社 コーポレート事業開発部門 ビジネスプロデューサー 小泉昌紀氏, 同 主任 伊熊結以氏, 株式会社hootfolio カスタマーサクセスマネージャー 池田亮介氏にご協力を頂きました。皆様のご支援に心より感謝いたします。 |
キーワード : エシカル消費 サステナビリティ 態度と行動の乖離 社会的望ましさバイアス 喫茶店 |
ページ : pp. |
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