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日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.14 |
消費者行動から見るSNS型投資詐欺 |
関係性マーケティングとエシカル消費の罠 |
武部 理花 RICAS代表 |
中川 功一 株式会社やさしいビジネスラボ代表取締役 |
発行: |
分類:一般報告 |
掲載形態:フルペーパー |
要約 : 本研究は,消費者行動モデルと,近年日本でも急増しているSNS型詐欺のフローの相似を明らかにすることである。2024年に実施した4名の被害者インタビューをもとに,出会いから被害認識までの行動プロセスを分析し,詐欺行為の構造が消費者意思決定モデル (DECAX)に対応していることを示した。具体的には,SNS上での偶発的接触,信頼構築,価値観への訴求,成功体験による継続投資,そして最終的な被害認識という段階をたどる。また,被害者は環境保護や介護といった社会的意義を訴えるストーリーに影響され,自己実現や応援消費に類似する心理で投資を決断していることが明らかになった。詐欺行為にはマーケティング的な手法が活用されており,現代の価値消費やSNSによる感情的同調の構造が詐欺の温床になっている。従って,経営学・マーケティング研究が倫理的・批判的な視座を持ってこれらの現象に対応することの重要性が提言されている。 |
謝辞 : |
キーワード : 消費者行動理論 DECAXモデル 応援消費 関係性マーケティング |
ページ : pp. |
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