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日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.14 |
生産者の顔が見えない加工食品におけるフードロス削減に向けたコミュニケーション |
即席めんにおける商品の擬人化と感情がもたらす商品魅力 |
小澤 裕太 明治大学 商学部 学生 |
加藤 拓巳 明治大学 商学部 准教授 |
発行: |
分類:一般報告 |
掲載形態:フルペーパー |
要約 : エシカル消費を推進するためには,社会や他者の利益である利他的動機ではなく,消費者の個人的利益である利己的動機を強調する必要性が認識されている。よって,利己的動機を強化するためのコンセプトやデザインが議論されてきた。しかし,小売店でのフードロス削減においては,その対応が難しい。なぜなら,商品の消費期限(賞味期限)の違いだけであるため,商品の設計を変更することができない。その結果,これまで値引きが唯一の施策になってきた。ただし,値引きは短期的な販売促進にはなっても,長期的には利益率低下に加え,ブランドイメージやロイヤルティの低下というデメリットがある。生産者が見える農産物では,マーケティングコミュニケーションの観点から,農家の顔写真やメッセージを添える対策が取られているが,生産者の顔が見えにくい加工食品ではそれも困難である。そこで,即席めんを対象とし,主体(生産者の顔,擬人化商品)と感情(悲しみ,喜び)に着眼して,値引きと同等の効果を発揮する訴求方法をランダム化比較試験で検討した。その結果,商品を擬人化し,喜びの感情を用いることで,20%引きと同等の魅力を引き出す効果を示した。 |
謝辞 : 本研究はJSPS科研費JP23K12567の助成を受けたものです。 |
キーワード : サステナビリティ エシカル消費 値引き 利他的動機 POP |
ページ : pp. |
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