オーラルセッション

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 日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.14 
満足度だけでは捉えきれない,能動的・受動的な顧客心理
8業界の調査データを用いた,満足度・顧客エンゲージメント・スイッチングバリアの先行要因と結果指標に関する統合的検証
余 嶺析
株式会社インテージ データサイエンス職
発行:
分類:一般報告
掲載形態:フルペーパー
要約 :
コモディティ化が進む日本市場では,顧客に選ばれ続ける理由を,従来の顧客満足度だけでは説明できないケースが増えている。ブランドへの愛着や能動的な関わりを表す顧客エンゲージメントや,受動的な関わりとして他社移行への抵抗感を示すスイッチングバリアも,顧客維持において重要な指標だと指摘される。本稿では,満足度・顧客エンゲージメント・スイッチングバリアの3つの顧客感情を統合的枠組みで捉え,8業界の調査データを用いて,それぞれの先行要因と結果指標を検証した。その検証から,各顧客感情の特徴が明らかになった。満足度は基本的サービス品質や価格の適正から形成されやすく,長期利用意向をはじめ多くの結果指標の基盤である。顧客エンゲージメントはブランド共感等の情緒的価値から生まれやすく,利用拡大意向に大きく影響する。スイッチングバリアはポイントプログラムから構築されやすく,財布内シェア向上に有用である。また,業界固有の特徴(例:娯楽施設では顧客エンゲージメントが特に重要)も確認された。示唆として,満足度は万能指標ではなく,業界特性や事業目標に応じた指標の選定が必要で,注力指標に応じて施策を検討すべきである。
謝辞 :
本研究では、株式会社インテージCXコンサルティング部による「i-KPIマップ™」開発調査データを活用させていただきました。また,論文内容についてご助言・添削をいただいた法政大学名誉教授の小川孔輔先生,および著者と同じ所属の森川秀樹さん,田原祐太さん,吉武はるかさんにこの場を借りて御礼申し上げます。
キーワード : 満足度 エンゲージメント スイッチング・バリア ロイヤルティ KPI
ページ : pp.


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