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研究報告会レポート

第12回女性マーケティング研究報告会レポート「ニッチな視点でオンリーワンを目指す女性マーケティング―下着ビジネスからお寺ステイまで」

第12回 女性マーケティング研究報告会 > 研究会の詳細はこちら
テーマ:「ニッチな視点でオンリーワンを目指す女性マーケティング―下着ビジネスからお寺ステイまで」
講 師:山田(雲林院)奈央子 氏(シルキースタイル代表取締役 / シェアウィング代表取締役シェア社長 / 東京JC国際女性友好の会会長 / 大使館プロジェクトPORT代表)
日 程:2019年5月27日(月)18:30-20:00
場 所:東洋学園大学
 
【講師プロフィール】
山田(雲林院)奈央子 氏
シルキースタイル代表取締役 / シェアウィング代表取締役シェア社長 / 東京JC国際女性友好の会会長 / 大使館プロジェクトPORT代表
盛岡生まれ。サウジアラビア育ち。上智大学卒業後、ワコールで下着の企画・開発・新規事業を担当。出版を機に退職し、26歳で大学時代の友人と株式会社シルキースタイルを設立。下着やボディケアの専門家として数々のメディアに出演、監修を行いながら、お金を使わずしてメディアを活用し数々のヒット商品を生み出す。女性コミニティ作りを得意とする。 サウジアラビア時代に世界各国の人と触れ合い、苦労もした経験より大使館プロジェクトPORT設立。2013年中小企業庁グッドビジネスアワード部門賞受賞。2016年株式会社シェアウィング設立し2社目起業を果たす。日本を元気にする社寺再生プロジェクトを立ち上げ、社寺から地方創生を行う。日本と諸外国の草の根外交活動がライフワーク。プライベートでは、2児の母。
 
【報告会レポート】
起業のきっかけ
 山田氏は、現在中堅企業のマーケティングコンサルティング業務に従事され、様々なヒット商品を生み出す。
 山田氏は、大学卒業後、下着メーカーに就職。商品を担当したことで「女性の下着への興味関心の薄さ」に市場の限界を感じ、自らブログで下着の記事を開始。ブログを書き続けたことをきっかけに著書を出版。また取材を受けるようになり、起業の手がかりをつかまえた。様々なメディアに取り上げられたことで、PRの力を実感され、現在の商品企画業務のノウハウの蓄積につなげられている。
 
マーケティング成果の秘訣
 現在の業務は、マーケティング企画コンサルティング業務やネイルサロン、女子会.comなど、女性目線をキーワードに様々な業務を手掛けるシルキースタイルの代表取締役と、昨今話題となっている、お寺ステイを運営されているシェアウィングの社長である。また大使館と日本の企業をつなぐプラットフォームの代表も務められており、いずれの事業コンセプトも山田氏自身のマーケターとしてのインサイトにある。
 山田氏は、これまで13年間で100商品を手掛けてきたが、ヒットを生み出すマーケティングインサイトのリソースは、メディアからの情報や外部ブレーンをうまく活用している。また、メディアやバイヤーとのリレーションが強く、事業の強みともなっているのが特徴である。
 
女性向けには、商品の裏側にあるストーリーが重要
 山田氏いわく、女性の購買行動には、共感が不可欠であり、最初のモノづくりの商材の選定においてもその点を重視している。初の取引先へのコンタクトは、一本の電話によるもので、その後も、この一本の電話によるビジネスチャンスの実感が成功体験として、様々な事業のチャンスを生み出すこととなった。一方で取引先の倒産などによる負債を抱える突発的な事故もあったが、なんとか切り抜け、今に至っている。これらの経験から、昨今は「自分の意志や想いが重要で、その想いさえあれば、できないことはない」と感じられている。
 
大手企業にできないことを手掛け、チャンスをつかむ。
 お寺ステイなどの発想は、子供をもち、未来の社会にむけて何らかの社会貢献をしたいという気持ちの変化から出たものであり、ここでも、女性ならではの生活者視点がうかがえる。お寺との協業は、ビジネス慣習とのギャップに手間取ることも多かったが、逆に大手企業ではできないフットワークで徐々に事業を拡大していった。
 「下着」「お寺」「ネイル」などの、ユニークな女性ならではの生活者視点で、市場を創造された成功事例である。
 
(文責:本庄 加代子)

 
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