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研究報告会レポート

第2回鉄道沿線マーケティング研究報告会レポート「鉄道沿線マーケティングの視点」

#いまマーケティングができること

第2回鉄道沿線マーケティング研究報告会(オンライン) > 研究会の詳細はこちら
テーマ:コロナを契機とした生活者変化に鉄道沿線はどう対応すべきか
日 程:2021年3月17日(水) 19:00-21:00
場 所:Zoomによるオンライン開催
 
【報告会レポート】
1. コロナ後の鉄道沿線マーケティング
加藤 肇(産業能率大学 経営学部 教授)

 リーダーの加藤教授より本研究会の主旨と鉄道沿線マーケットの現状をご説明いただいた。

  • 都市を“線上(≒沿線上)”のマーケットの集合体と捉える。沿線は暮らしに大きな影響力を持つ。
  • 現在、鉄道利用者は大幅減少し、沿線の影響度は減少しているのではないか。
  • 鉄道各社は厳しい決算状況であり、関連ビジネス(駅商業施設の売上げ)状況も不調。
  • 移動者マーケットの縮小といえる。
  • 鉄道沿線マーケティングの転換点であり、新しい視点、これまでとは違ったアプローチが必要。

 

2. コロナを契機とした駅消費者ジャーニーの変化
松本 阿礼((株)ジェイアール東日本企画 駅消費研究センター、お茶の水女子大学大学院 博士後期課程)

 松本より、従来からの駅消費の特徴や、コロナ禍での駅商業施設ユーザーへの生活日記調査の結果を紹介した。

  • 駅消費には、特有の消費傾向(時間帯、価格帯、計画性)があった。
  • コロナ禍で移動が減少・変化し、買い物や駅消費も大きく変化した。
  • コロナ前に、「通勤のついで」「ちょっとした気持ちスイッチ」「非計画」だった駅の消費は、コロナ後は「わざわざ」「本気で息抜き」「(外出への罪悪感から)言い訳しながら利用」といった変化が見られた。
  • 通勤の「ついで」だからこそ行われていた消費行動や心理がなくなるという大変化が起き、駅消費の位置づけやあり方を抜本的に見直さなければならなくなっている。

 

 
3. ディスカッション 郊外における沿線の“中域”を考える
ファシリテーター:加藤 肇(産業能率大学 経営学部 教授)
登壇者:田村 高志((株)小田急エージェンシー コミュニケーションデザイン局 プランニング部長)
松本 阿礼((株)ジェイアール東日本企画 駅消費研究センター、お茶の水女子大学大学院 博士後期課程)

 ディスカッションへの話題提供として、加藤先生から「アフターコロナの沿線活性課題」を説明のうえ、ディスカッションを行った。

  • MaaS等の推進モビリティ(=可動性・移動性)向上。
  • 沿線内の駅ビル等の差別化・個性化
  • 沿線コンテンツの相互プロモーション
  • 沿線内のサブスクリプションサービスの充実
  • コミュニティの創造と交流多拠点居住などの仕組みづくり

 
 総括として、「沿線中域エリアマネージメントのすすめ」を提示した。

  • 鉄道でつながっていること(沿線であること)を最大限に生かした活性化策を行うことが鉄道沿線マーケティングのKSFになるのではないか。
  • 地域と鉄道会社が協力し、中域エリア内での相互送客を増大し、相互に関与人口を増やして地域の活性化を行うことが沿線活性になるのではないか。
  • 鉄道依存の分断型⇒中域エリア共創(ネットワーク)型へ

 
 その後、質疑応答も活発に行われ、報告会の中締め後にも、活発な意見交換が盛り上がり、第2回目の報告会を終えた。
 

画像左より、ディスカッションの様子、記念写真
 
(文責:松本 阿礼)

 
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