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研究報告会レポート

第13回サービス・マネジメント研究報告会レポート「顧客を先取りするサービスとは?『アスクル生誕の時、そして業態卸への取組』」

第13回サービス・マネジメント研究報告会(リアル・オンライン併用開催) > 研究会の詳細はこちら
 
テーマ:顧客を先取りするサービスとは?『アスクル生誕の時、そして業態卸への取組』
報告者:杉本 宏幸 氏(福岡大学 商学部 教授 / サービス・マネジメント研究会メンバー)
    淺野 紀美夫 氏(プラス株式会社 代表取締役副社長)
日 程:2024年6月18日(火)17:00-19:00
場 所:PLUS DESIGN CROSS(恵比寿ガーデンプレイス)およびZoomによるオンライン開催
進行:向井 光太郎(関西学院大学ハンズオン・ラーニングセンター 准教授)
 
【報告会レポート】
第1部 PLUS DESIGN CROSS 見学会(前半50分)
 PLUS株式会社の皆さんによるナビゲートにより、ビジネス・デザインの拠点オフィスのウォーク・イン・ジャーニーを行いました。また、オンライン参加のメンバーの皆さんにも、PLUSからオンライン対応プログラムをアレンジいただき、とても臨場感ある演出の仮想ウォーク・イン・ジャーニーを体感いただきました。PLUS DESIGN CROSSの面白いところは、開放度の高さです。恵比寿ガーデンプレイスの商業ゾーン「センタープラザ」2Fを確保していることで、1Fに入居するブランドストア、ショップのイメージとつながる動線を確保しています。2Fに足を踏み入れると、グリーンに満ちたオープンスペースが広がっているのですが、その場所もPLUS DESIGN CROSSの一部を構成しているゾーンで、打ち合わせゾーンや個人ワークゾーンとして自由に使えるようになっています。一般の方でも自由に使えるような、ノン・バリアのゾーン使いしているところに、PLUSのカルチャーを感じられます。パス・タッチでアクセスできるスペースは、大きく2つに分かれていますが、オープンなゾーンとの続きで、日常のいろいろなワークに合わせて自由に使える環境になっているので、事務所・オフィスというよりも「暮らしの場」のように感じられる心地よい空間です。ぜひ、足を踏み入れてみてください。
 

 
第2部 レクチャーセッション(後半60分)
 ここからは、解題「プラス株式会社とチャネル戦略」として、杉本メンバーより、プラス株式会社のチャネル戦略の特徴について触れられました。
 第一に、顧客起点で設計・構築されていることです。かつてのアスクルはいくつかの取り組みで配達時間を劇的に短縮させましたが、アスクル以前は「明日届く」ことに対するニーズや需要がほぼ認識されていませんでした。
 第二に、顧客が望むなら他社メーカー製品でも品揃えして提供してきたことです。アスクルでも、近年手掛けられたラックジョバー事業でも見られました。メーカーが製造した自社製品を流通させるため、販売会社、支店、営業所等で流通管理してきたことを考慮すると、プラス株式会社の流通戦略は異質とされます。
 ラックジョバー事業などから見えてきた企業別ニーズへの対応として、「業態卸」という新しい事業(チャネル戦略)へ同社は取り組んでいることが指摘され、淺野氏の話に続きました。同氏は、競合他社による伝統的な系列型流通チャネルへのチャレンジを軸にして、自社の販売戦略における奮闘や苦労を潔く紹介され、ASKUL誕生までの奮闘、ジレンマ、サクセスを、持ち前のポジティブさとバイタリティを出されながら紹介されました。そして今、新たな事業形態「業態卸」の紹介に至るまで、力強い口調でお話しいただきました。
 自社製品を売る会社とは一線を画し、顧客の職場環境をあらゆるアプローチで整備するコーディネーターとしての姿を垣間見る貴重な機会となりました。続編を期待してください。
 
(文責:関西学院大学 / サービス・マネジメント研究会リーダー 向井 光太郎)

 
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