|
第12回ユーザー・コミュニティとオープン・メディア研究報告会レポート「アニメツーリズムとファンコミュニティ ― 立川アニメイベントの取り組み ―」 |
第12回ユーザー・コミュニティとオープン・メディア研究報告会(カンファレンス2025)> 研究会の詳細はこちら
テーマ:アニメツーリズムとファンコミュニティ ― 立川アニメイベントの取り組み ―
報告者:高橋 佑弥(立川観光コンベンション協会 ディレクター)
日 程:2025年10月12日(日)10:30-11:50
場 所:法政大学 市ケ谷キャンパス
【報告会レポート】
全国の地域活性化や観光促進策として経済効果を上げている「アニメツーリズム」。作品の舞台を聖地巡礼として巡るコンテンツツーリズムの1つである。このアニメコンテンツに集客を依存するため、作品が終了した後の自治体・企業の取り組みと継続性が課題となっている。その中で東京都立川市は15年にわたり、20以上のアニメ作品の舞台となり、継続的な観光促進に成果を上げている。
その成果はサービスマーケティングにおける「サービストライアングル」に照らせば、①原作者や出版社等の作品コンテンツの提供者、②市内の関連企業や団体の組織的な取り組み、③親子2代にわたるファンコミュニティの力、の3つが推進力となっている。

立川市が舞台とされる主な作品は、「とある科学の超電磁砲(レールガン)」を初めとする「とあるシリーズ」のほか、「聖☆おにいさん」「ガッチャマンクラウズ」、また2024年から2025年には「怪獣8号」などがあり、なかでも「とあるシリーズ」の作品コンテンツは、立川アニメイベントの際にグッズや様々な販促物に展開されている。

次に市内の企業や団体が「とあるアニメの連絡会」を組織して。イベントの企画運営への参加や商品グッズの企画販売などに取り組んでいる。この組織体の継続がサービストライアングルの「内部顧客」となり、市内関係者全体で立川アニメを盛り上げようと外部へ発信を行っているのが強みである。多くの地域で舞台作品の連載や放送が終わると事業者の参加も次第に減少し、アニメ聖地としての魅力が低下していく。しかし、とあるアニメの連絡会という持続的な緩い組織により立川アニメの聖地巡礼地の魅力が維持されている。

3つめが15年にわたるファンユーザーの熱い支持である。毎年秋に開催される立川アニメイベントには数千人のファンが訪れるほか、日常的に聖地の巡礼スポットを回りに市内に来訪する。そのファン層も多様化しており、放送開始当時の20代のファンが中年となり、その子供もまた作品ファンになるという二世代にわたるファンコミュニティの継承がある。15年経過しても舞台作品の新作が継続的に発表されるたびに、「オールドファン」と「ビギナーファン」の双方がコミュニティを盛り上げる。なかでも「とあるシリーズ」に登場するカエルのキャラクター「ゲコ太」の人気が高く、筆者がX(旧Twitter)で「ゲコ太」をキーワードに検索したところ、延べ32万件以上のツイートが投稿されていた。
以上が、イベント企画運営の当初から携わってきた高橋氏の講演概要であるが、このトライアングル三者の力が引き続き維持されることが、立川アニメ聖地巡礼とそのツーリズムを持続させるカギであることは間違いない。
最後に参考までに11月に開催されたイベントのレポート動画も紹介しておきたい。
https://youtu.be/lD5UvGNj0dg?si=mX21zf2lXUB7OJuG
(文責:片野 浩一)

