|
第15回サービス・マネジメント研究報告会レポート「消費者から所有者へ ― モノと人との関係性の再定義から考える,ポスト『サービス・トライアングル』 ―」 |
第15回サービス・マネジメント研究報告会(カンファレンス2025)> 研究会の詳細はこちら
テーマ:消費者から所有者へ ― モノと人との関係性の再定義から考える,ポスト「サービス・トライアングル」 ―
報告者:平田 健夫(合同会社CYKLUS 代表)
向井 光太郎(関西学院大学ハンズオン・ラーニングセンター 准教授)
日 程:2025年10月12日(日)9:00-10:20
場 所:法政大学 市ヶ谷キャンパス
【報告会レポート】
第1部 ストーリー・テリング形式の取組紹介(前半40分)
平田氏より、前職(パタゴニア日本支社)Worn Wearの取り組み紹介を皮切りに、アウトドア・アパレルを中心にしたリペア・リユースによる製品寿命の延長や製品寿命の尽きた製品のリペア・リメイクのアプローチを紹介があった。メーカーや系列を問わず、さまざまなブランドプロダクトに、リペアー・リメイク・リユースのサービス提供が求められつつあり、このような製品の使い方や買い方を、複数のブランドが共同開催で体現できるイベントのコーディネートも実施されてきている。国や地方自治体も、このようなサスティナブルな活動に関心を示しており、CYKLUSでは、環境省事業を受託して、リペア・リメイク・リユースの輪を広げる試みを推進している。東京都内での複数ブランド共催によるリペア・リメイクイベント「Do Repairs」や環境省との実証事業「Community Loops」も紹介された。
第2部 ループ・ディスカッション(後半40分)
参加者との「質疑応答ではない」ディスカッションを行なった。SDGsへの関心、環境対策やエコ志向の参加者が大半で、友好的な雰囲気の中で生産的なディスカッションが行われた。参加者に環境意識やモノを大切にする意識を持つメンバーが多く存在したことから、複数ブランドによるイベントの開催頻度および開催エリアの拡大についてもリクエストがあった。また、単独製品のマーケティング・アプローチではなく、社会課題の設定にリンクする製品デザイン、製品販売をコア・アプローチにしたマーケティングの必要性を重視する声が相次いだ。消費者それぞれに愛着やストーリーが込められた製品があるはずで、そのような素朴で大切な気持ちを大切にし合い、「長く使いたい」「大切な人に引き継ぎたい」気持ちを尊重するコミュニケーションがこれからのマーケティングには求められるべきである。何度も買い替えられる安価な製品に飛びつくのではなく、長持ちする製品とともに過ごす時間、いずれリペア・リメイクしてさらに一緒に過ごす時間、次に長く使ってくれる人との関わりやつながりの時間を味わえる、新しい購買の形態と意識の醸成が、環境対策やサスティナブル社会と連動して行われるべきだとの提言も行なった。これは、アパレル製品、アパレル業界に限られたことではなく、家電製品、自動車など私たちの生活を取り巻くいろいろな製品・業界でも考えられるべきであろう。
(文責:関西学院大学 / サービス・マネジメント研究会リーダー 向井 光太郎)

