リサーチプロジェクト
研究報告会レポート

第10回オムニチャネル研究報告会レポート「店舗におけるマーケティングの導入と定着」

第10回オムニチャネル研究報告会(オンライン)> 研究会の詳細はこちら
 
テーマ:店舗におけるマーケティングの導入と定着
報告者:今井 賢一 氏(イオンリテール株式会社 IT企画本部 デジタル戦略部 データソリューションチーム マネージャー)
パネルディスカッション:
今井 賢一 氏(同上)
逸見 光次郞(株式会社CaTラボ 代表取締役)
中見 真也(神奈川大学)
近藤 公彦(北海道武蔵女子大学)
日 程:2026年1月30日(金)19:00-20:30
場 所:Zoomによるオンライン開催
 
【報告会レポート】
1. 開催概要
 2026年1月30日、Zoomにてオムニチャネル研究会を開催した。今井賢一氏(イオンリテール)が講演を行い、その後パネルディスカッションおよび質疑応答を実施した。モデレーターは近藤公彦(北海道武蔵女子大学)、コメンテーターは逸見光次郎氏(株式会社CaTラボ代表)、中見真也(神奈川大学)である。
 
2. 講演要旨
「イオンリテールのデータドリブン改革とAI活用」
 今井氏は、POS中心の従来マーケティングでは顧客実態を十分に把握できないと指摘し、「お客様を見る改革」を掲げた。マスマーケティング依存から脱却し、顧客一人あたりの価値拡大を目指す必要性が強調された。
 同社では、外部委託依存を避けつつ内製体制を強化するため、データソリューションチームを中核に以下の3領域を推進している。
 
・データマネジメント基盤整備
・分析・アプリ開発などテクノロジー活用
・人材育成
 
 ID-POSはカード会員属性と連動し構築されたが、「作るだけでは使われない」ため、約100種のダッシュボードをポータルに実装し、店舗が自律的に分析できる環境を整備した。業務データや外部環境データも統合し、店舗単位で意思決定できる体制を構築している。
 さらに、データ活用を進めるため階層別研修を実施し、AIを活用して自然言語での分析やグラフ生成を可能にした。AIは分析時間を短縮するが、現場知識による取捨選択が不可欠であるとされた。
 店舗事例では、チラシ配布最適化、年代別購買分析による品揃え調整、競合時間帯分析、インバウンド施策修正、MZ世代向け商品強化、体験型イベントの効果測定など、データに基づく具体的成果が示された。今後はRFM分析等を活用し、顧客層別のボトルネック特定へ進む方針である。
 
3. パネルディスカッション要旨
 逸見氏は、「データ環境を整えるだけでは活用は進まない」と述べ、伴走支援体制と段階的な浸透プロセスを評価した。今井氏は導入初期の困難と、2~3年目以降の理解拡大を補足した。中見は、基礎固めを優先し、実店舗を素材に議論を重ねた点、事業部長層から着手した点を成功要因として指摘した。
 
4. 質疑応答要旨
 成功事例の横展開については、ポータル共有と評価機能による可視化が構想されている。顧客軸で店舗を分類することで、移植可能な施策抽出が可能になるとの示唆もあった。
 ECとの統合では、店舗とネットスーパー等のID連携を年内に実現予定で、チャネル横断顧客の把握が目標とされた。グループ内シナジーについては、金融やモール領域との連携余地が大きく、データ可視化が協業を促すとされた。
 生成AIについては、普及の可能性と同時にリテラシー教育の必要性が指摘された。
 
5. 閉会
 近藤より登壇者・コメンテーターへの謝意が述べられ、研究会は閉会した。
 
(文責:近藤 公彦)

 
Join us

会員情報変更や、領収書発行などが可能。

若手応援割
U24会費無料 &
U29会費半額
member