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第13回ユーザー・コミュニティとオープン・メディア研究報告会レポート「企業インフルエンサーは翻訳者」 |
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テーマ:企業インフルエンサーは翻訳者
報告者:濱屋 理沙(インフルエンサー / ワークマン社外取締役)
日 程:2026年2月13日(金)19:00-20:30
場 所:Zoomによるオンライン開催
【報告会レポート】
本講演で伝えたい結論
- インフルエンサーは「広告枠」ではなく、企業と生活者をつなぐ「翻訳者」である。翻訳とは意味・文脈・体験。
- 翻訳が成功すると、UGC(ユーザー生成コンテンツ)とコミュニティは自然に生まれる。

1.UGCでキャンプ体験を個人発信
講演者は元々、一ユーザー、一消費者から出発し、趣味のキャンプ体験を通じて商品の情報がわかりづらいと感じていた。そこで、企業目線ではなく、自分が困ったことを発信しようと決めた。まず、キャンプブログをビジネスとしてスタートした。同じ分野で競合する発信者の情報を徹底的に調べた上で、まとめ記事ではなく、体験に基づく1次情報に絞り、毎週末にキャンプに出かけて体験を量産して、毎日更新を3カ月続けた。キャンプ用品を検索するユーザーの不安を言語化し、良い点だけでなく、失敗談も書いた。1カ月毎日更新することでブログランキングに載り、旧Twitterでのコメントも増え、読者との距離が縮まっていく。こうしてページビューが順調に増えて収益化につながった。
2.ワークマン社の社外取締役就任
ワークマン商品のファンユーザーとしてUGCを投稿していたところ、YouTubeチャンネルに同社商品の体験UGCを投稿したことが商品売上の増加につながり、同社の目に止まった。そして、2019年にブランドアンバサダーに就任して商品情報を発信するほか、ユーザーイノベーターとして商品開発にも関わり、30品目以上の共同開発と累計100万点以上を販売する実績を作った。例として販売していた作業用の溶接服を火の粉に強いキャンプウェアに新たに改良した。この経験から、商品を使用するユーザーがどこでつまづくのかを企業側に伝える翻訳者の役割を実感した。その後、2023年に現役YouTuberとして社外取締役に就任することになる。
3.インフルエンサーが行う翻訳の3レイヤー
インフルエンサーの翻訳は第1に機能や素材、価格などを企業PRする「機能レベル」、第2は商品を使ってどう感じたか、生活で変わることを発信する「体験レベル」、そして第3はなぜこの商品を買うのかというブランドの思想を伝える「物語レベル」に分かれ、UGCのファンコミュニティは第2の体験レベルから生まれる。「これ、わかる」という共感からコミュニティが生まれる。開発協力した「コットンキャンパー」では火の粉に強くキャンプらしいデザインと大きなポケットもある機能性。この実際の使用シーンを語ることで他ユーザーからの共感を呼び、関連するUGCが派生的に増加してコミュニティが生まれていった。

*画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。
濱屋氏は、他にもクルーズ船の旅行商品やホームセンターの生活用品、美容家電などの分野で、消費者ユーザーが感じる不安を先取りして商品の価値を体験的に伝えていく事例を紹介してくれた。そうした体験の「翻訳」が結果として商品の魅力を伝えることになり、売上にもつながっていく。今や企業はそうした体験型のUGCを活用するインフルエンサーマーケティングに力を入れている。どのようなインフルエンサーを起用し、何を市場に伝えてほしいのか。濱屋氏の講演はインフルエンサーを起用する企業側に重要な示唆を提供してくれた。
2025年度も研究報告会にご参加いただき、ありがとうございました。2026年度も引き続き、UGCとファンコミュニティをテーマに研究していく予定です。どうぞよろしくお願いします。
(文責:片野 浩一)

