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研究報告会レポート

第2回ユーザー・イノベーション
研究報告会レポート
「WEMAKEをWe Makeしよう!」

第2回ユーザー・イノベーション研究報告会

テーマ:「WEMAKEをWe Makeしよう!」
講演者:株式会社A(エイス)代表取締役 大川 浩基 氏、山田 歩 氏
日 程:2014年9月28日(日)15:30〜17:00
場 所:法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナード・タワー25階
    イノベーション・マネジメント研究センターセミナー室
 
 

 第2回は、ユーザー・イノベーションを実践しているWEMAKEの創業者の大川氏と山田氏をゲストに迎えた。WEMAKEの立ち上がりの経緯や現在の運営状況を詳しく説明してもらい、それをもとに議論し、会場は盛り上がった。

 

大川浩基氏、山田歩氏
写真左より、大川浩基氏、山田歩氏
会場の様子
会場の様子

 

 大川氏によると、WEMAKEは2013年11月に設立された。同社のビジネス内容を一言でまとめると、「モノづくりのクラウドソーシングサービス」だ。つまり、消費者がほしいものを、WEMAKEのオンライン・コミュニティに投稿し、他の消費者がそのアイデアを評価して採点する。その後、WEMAKEは評価の高いアイデアを製品メーカーに提案し、メーカーはそのアイデアに基づいて製品を生産販売。この製品開発プロセスは、従来のプロセスと比べて、よりオープンになったものだ。そして、販売の前に、製品アイデアが多くの消費者に見られファンが集まるので、ビジネスリスクは軽減できる。
 WEMAKEは、メーカーから共同製品開発の依頼を受けている。WEMAKEは、これを『テーマコンペ』と呼ぶ。こうした中、「warmy」という製品が生まれた(下図)。この商品の特徴は、①電気を通すことで温まるシート、②巻物のように収納でき持ち運び可能、③USB充電式である。

 

warmy
WE MAKEのホームページより

 

 大川氏らの講演が終わり、活発な議論が行われ、以下のようなことが、さらに明らかとなった。
 まず、WEMAKEの成功にとって重要なのは、ユーザーの投票とスタッフの審査という2つの段階であること。WEMAKEは、この2段階を通じて、市場価値のある消費者の潜在的なニーズを評価することができている。第1段階では、コメント者と投稿者が共同で投稿でき、ユーザーの間の意見交換ができる。第2段階では、WEMAKEのスタッフとメーカーの人と一緒に、製品アイデアの新規性、有用性、実現性と生産可能性を検討。今まで、1000件の投稿アイデアのうち、100件はこの段階で高く評価されたという。
 次に、ユーザーやメーカーを含む参加者の参加意欲を高める方法についてである。 WEMAKEでは、製品売上の4〜20%が収益となり、そのうち50% を参加者に分配している。こうした参加者の意欲向上は、WEMAKEだけでなくオンライン・コミュニティが考慮するべき課題であろう。
 こうした先駆的な講演と、ディスカッションを通じて、インターネット時代にユーザー・イノベーション論を実践に応用する新しい方法と可能性及びメーカーの役割を確認できた。
 
(文責:鈴鹿国際大学 ウキン)
 

> WE MAKEの詳細はこちら

 
<プロフィール>
大川 浩基(おおかわひろき)
1988年 茨城県生まれ
2011年 東京理科大学理工学部経営工学科卒業
2012年 株式会社A創立
2013年 早稲田大学大学院 ファイナンス研究科修了
・大学時代は、シェールガスに着目した短期化石燃料世界市場最適化の研究を行う。
・在学中に共同創業者である山田氏と社会的にインパクトある事業を立ち上げるという点で意気投合し、2012年4月株式会社A創業。2013年11月WEMAKE正式リリース。
 
山田 歩(やまだあゆむ)
1988年 東京都生まれ
2011年 日本版Techshopの立ちあげに従事
2012年 早稲田大学創造理工学部総合機械工学科卒業
2012年 株式会社A創立
・在学中は早稲田宇宙航空研究会にて人力飛行機をひた作る毎日。また、人と自然と機械の「間」のデザインをする研究室で遠隔地間のコミュニケーション装置の研究開発。
 

 
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