リサーチプロジェクト
研究報告会レポート

第2回
アグリ&アクアフード・マーケティング
研究報告会レポート
「アグリ&アクアフードの支援を考える」

第2回 アグリ&アクアフード・マーケティング研究報告会
テーマ:「ぐるなびの食を通した地域活性化支援」
報告者:株式会社ぐるなび 大阪営業所 所長 宇田川 洋平 氏

日 程:2015年7月31日(金)19:00-21:00
場 所:グランフロント大阪ナレッジサロン

 

【報告会レポート】
 2015年7月31日、第2回アグリ&アクアフード・マーケティング研究報告会が、グランフロント大阪ナレッジサロンで開催されました。参加者は32名。金曜日の夕方にもかかわらず多くの方にお集まりいただき開催することができました。
 今回のテーマは、「アグリ&アクアフード・セクターの支援を考える」です。アグリ&アクアフード・セクターには、農業、畜産業、漁業など食材を生産・飼育・捕獲する人々、それを加工する人々、また、飲食業や流通業においてそれを提供する人々、そして、それを消費する人々とさまざまな人がかかわっており、それを支援する方法も多種多様です。
 そこで、今回は、さまざまな角度から食を通した地域活性化を支援している株式会社ぐるなび大阪営業所所長の宇田川洋平氏を講師としてお招きし、アグリ&アクアフード・セクターを支援するとは具体的に何をすることなのかを、参加者の皆さんと議論しました。

 
宇田川洋平氏 宇田川洋平氏
宇田川洋平氏
 

 株式会社ぐるなびは、飲食店の情報提供サイトすなわち食を消費する人々を支援する企業として知られており、現在の詳細情報掲載店舗数は14万5千店、総掲載店舗数は50万店と日本のほぼすべての飲食店が網羅されています。詳細情報の更新は各飲食店が行っており、ぐるなびは、飲食店が適切な情報を迅速に提供できるようシステム的に支援するとともに、営業部隊が定期的に各店を訪問しフォローしています。
 ここにもアグリ&アクアフード・セクターの支援を考えるヒントがあります。飲食店は、自ら情報更新することで、顧客の動向や食のトレンドに敏感になり、経営センスを高めることができます。相手に何かをしてあげることだけが支援ではありません。自ら出来るよう能力を高めること、そのためにあえてしないという選択も支援のひとつだといえます(もちろん、自ら出来るような仕組みづくりなどは必要です)。
 ところで、ぐるなびの支援は、食を求める消費者や彼らにそれを提供する飲食店にとどまりません。日本全国の高品質な食材、優れた技術をもつ生産者をネットワーク化し、取引のある飲食店とのマッチングを図ったり、「プレミアムマルシェ」等で彼らと最終消費者とのマッチングを行っています。また、高度が技術をもつシェフや料理人も同様にネットワーク化し、地域の食材とその地域出身のシェフや料理人を結びつける「産地フェア」などのイベントを開催し、地産他消に一役買っています。さらに、食の都・大阪が生んだ食のスタイル「カウンター割烹」を楽しむ機会を増やすことを目的に、大阪商工会議所等と協力し、「大阪割烹体験」イベントを年2回開催するなど地域の食文化の情報発信等にも精力的に取り組んでいます。
 ここで紹介したのは、ぐるなびが行っている活動のほんの一部ですが、「食を通して地域を活性化する」という理念のもとさまざまな活動を通してアグリ&アクアフード・セクターの支援を行っている話を聞き、フロアの参加者も、その支援の幅広さと多様さをあらためて実感できたと思います。
 また、アグリ&アクアフード・セクターの支援とは、単に個々の活動を支援するだけでなく、互いに結びつけることが大きなポイントになることも、あらためて気づかされました。
 さらに、フロアからは、支援する側と支援される側という見方そのものに問題があり、ぐるなびの産地フェアにおける産地の生産者と産地出身のシェフ・料理人の関係のように、互いに有益なことを行うことがフードバリューチェーンを念頭においた支援のあり方ではないかといった意見も出るなど、活発な議論がなされました。

 
会場の様子 会場の様子
会場の様子
 

【報告会を終えて】
 平日の夜という限られた時間での開催でしたが、宇田川氏にぐるなびの刺激的なお話しをいただき、フロアとのやりとりも和やかながら非常に活発で、アグリ&アクアフード・セクターの支援について考える非常によい機会になったと思います。
 関西で初めての研究報告会でしたが、多くの方々のご協力のもと無事終えることができ心より感謝申し上げます。今後も関西での研究報告会を開催する予定でおりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 
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