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 日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.9 
消費者のプライバシーと選択のパラドックスのもとでの企業戦略
Firm strategy with consumer privacy and paradox of choice
金城 敬太
共立女子大学 ビジネス学部 准教授
海老名 剛
明治大学 商学部 准教授
発行 : 2020年12月16日
分類:一般報告
報告要旨 :
 EUなどでGDPR(一般データ保護規則)が2018年から適用され,個人情報の保護やその権利が今日重要となっている。企業はプライバシーの扱いを考慮しイノベーョンやマーケティングを行うことが重要である。一方,消費者研究で,多くの製品が提供されると逆に不効用が生じる,選択のパラドックスという現象がある。この状況下では,消費者は個人情報を公開すると的確な製品が紹介されるが,公開しすぎると逆に商品に関する情報が増えたりプライバシーが特定されてしまう,という問題がある。
 そこで本研究では上記の消費者を考慮し,消費者と企業のとるべき戦略についてモデルを用いて分析した。結果,消費者の情報公開と企業の戦略(提供する製品数)が補完的(一方が増えると他方が増える)か代替的(一方が増えると他方が減る)に依存して,戦略が異なることが明らかとなった。例えば,ある自然な仮定のもとで,消費者の公開範囲が増えると,効用の交叉微分が正の場合,企業の最適製品数は減る。消費者のそのカテゴリーに対する選好が低いと,企業の最適製品数は減る。消費者の製品数に対する不効用の増加で,企業の最適製品数は減ることなどが明らかとなった。
キーワード : 個人情報 プライバシー 選択のパラドックス 製品戦略


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