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 日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.12 
ロングテール効果の再考
食品小売におけるオンライン・実店舗間の顧客需要の集中
中野 暁
明治学院大学 経済学部 専任講師
発行 : 2023年11月20日
分類:一般報告
報告要旨 :
ロングテール効果は,ECにおいてニッチ商品の販売が人気商品に比べて相対的に有利に働くことを示すもので,ECの発展と共に広く研究されてきた。しかしながら,近年の研究では,その効果は当初想定されていたよりも微妙であることが問題提起されている。ECは,人気商品の推薦や顧客自身の過去購入のショートカットといった特定の条件が働く下では,逆に,顧客需要の集中をもたらす可能性がある。本研究では,検索コストが低い商品カテゴリである食品小売に焦点をあて,顧客需要の集中を調査した。本研究では,日本の主要なマルチチャネルの小売チェーンを含んだ購買パネルデータを用いて,チャネル間での人気商品への需要の集中差を捉える固定効果モデルによる分析を行った。その結果,実店舗に比べ,オンラインでは人気商品に需要が集中していることがわかった。さらに,顧客のオンライン購買経験が調整変数となり,より経験豊富な顧客ほど需要が集中しやすいことを示した。また,これらの結果はチャネル間で利用可能な品揃えをコントロールした場合でもロバストであることが確認された。本研究の知見は,小売業が在庫管理や顧客関係管理を展開する際に役立つものである。
キーワード : チャネル ロングテール Eコマース 需要の集中 購買経験


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