ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.14 |
予防焦点との制御適合の影響: 日本と中国の文化差に注目して |
張 瑞峰 博士課程前期課程 |
官 宜珊 関西大学大学院 総合情報学研究科博士課程前期課程 |
羽藤 雅彦 関西大学総合情報学部 教授 |
発行 : |
分類:一般報告 |
報告要旨 : 本研究では制御適合に注目し,予防焦点における制御適合がブランド評価に与える影響について,日本と中国の比較を通じて検討した。当初の予想では,日本文化に特有の義務感や他者配慮的傾向が影響しており,日本人の方がより強く制御焦点の広告メッセージの影響を受けると予想された。しかし,両国の消費者を対象にサーベイ調査を実施した結果, 中国の消費者の方が,予防焦点における制御適合がブランド評価に強く影響する傾向が見られた。こうした文化差は,国際的なブランド戦略において,メッセージの焦点を調整する際の重要な示唆を提供する。また,グローバル市場における広告やコミュニケーション戦略の設計において,消費者の文化的背景や制御焦点との整合性を考慮することの必要性が明らかとなった。日本と中国は同じ東アジアという地理的分類で括られることが多いが,価値観や自己制御のあり方には明確な違いが存在しており,それを踏まえた精緻な比較が求められる。 |
キーワード : 制御焦点 文化 商品評価 |
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