ポスターセッションの報告要旨の |
日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.14 |
意味を記録する通帳による寄付行動のデザイン |
“使ってよかったお金”から寄付への共鳴を導く仕組みの実践と分析 |
中田 智也 武蔵野美術大学院造形構想研究科修士課程 |
発行 : |
分類:一般報告 |
報告要旨 : 日本において寄付は、欧米諸国と比べて一般的な習慣とは言いがたく、その背景には「寄付は特別な人の行為である」という心理的距離感や、「寄付金がどのように使われているのかが見えづらい」といった不透明さが存在している。本研究では、こうした寄付行動のハードルを、寄付の「外」にある日常的なお金の使い方に着目することで乗り越えられないかを探った。 具体的には、「今日、“使ってよかったな”と思えるお金の使い方はありましたか?」という問いに対し、支出内容とその意味をタグで記録する「意味通帳」アプリケーションを試作。推し活のような自己表現的な消費だけでなく、家族との食事、誰かへのちょっとした贈り物、地域での買い物など、多様な支出が蓄積された。 こうした記録群をKJ法により分析し、支出に付随する「意味」の集まりが、どのように寄付行動と響き合うかを可視化した。これにより、寄付に至る動機や感情の多様性を捉え、寄付を特別なものにせず、日常の延長線上にあるものとして再設計するための行動のデザイン可能性を提示した。 |
キーワード : 寄付 意味消費 意味通帳 |
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