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 日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.14 
対人援助としての医療における価値創造―エフェクチュエーションの理論的示唆
角田 ますみ
杏林大学 保健学部 准教授
吉田 満梨
神戸大学大学院経営研究科 准教授
発行 :
分類:一般報告
報告要旨 :
本研究では、医療組織における差別的な新サービスの創出プロセスが、エフェクチュエーションによっていかに実現するかを考察する。エフェクチュエーションは、不確実性を前提に資源を活かし未来を共創する意思決定理論である。一方、患者の心身に直接影響を及ぼすため厳格な手順やシステムに基づく管理が必要とされる医療では、診療プロトコルや診療報酬制度に象徴されるコーゼーション的思考が重視される。そのため、医療マーケティング研究でもマネジリアルな視点が強調され、既存のシステムから逸脱的するような医療サービスの創出は、あまり分析対象とされてこなかった。事例分析では、二人の開業医が、既存の枠組みに悩みつつ、自らの「手中の鳥」を活かし、患者にとって意味のあるユニークな医療サービスを創出する姿を明らかにする。そこでは、許容可能な損失を踏まえた挑戦や、関係性を通じた共創といったエフェクチュエーションの論理が重要な役割を果たす。コーゼーション的基盤の上に経営やサービス提供がなされる医療では、同時に、患者に寄り添い価値を共に育む対人援助の営みとしての側面から、新たな価値創造の可能性が生まれることを示す。
キーワード : エフェクチュエーション 医療サービス コーゼーション


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