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 日本マーケティング学会 ワーキングペーパーVol.2 No.1 
社会生態学のケースとしての秋葉原
- Marketing of the long tail in Akihabara -
山田一人
法政大学大学院サステイナビリティ学専攻 (所属 : 法政大学サステイナビリティ研究所)
発行:2015年12月03日
更新:2016年10月01日
分類 : 論文
要約 :
本論文は、「秋葉原地域」をめぐる地域企業の企業戦略と日本経済の変遷を歴史歴に俯瞰的に分析することによる研究方法を提示したことに意味を持つ。この研究方法を「タイムマップ分析」と名付けた。

戦後約70年の日本経済の中で、秋葉原地域はビジネスモデルイノベーションを起こし、一定の産業創造を担ってきた。秋葉原地域は、「秋葉原特有の経済現象(A.マーシャルは、「空間の奥義」と呼んでいる。)」があるものと思われる。また、秋葉原地域は、ここ約20数年間で「アキバ文化」を創造してきた。戦後の闇市から脈々と続いている秋葉原特有の文化を継続し、外部から新しい情報を取り入れ、秋葉原内外に情報を発信することにより、秋葉原を“アキバ”としてメディア化させ、評判を喚起し、産業転換を促進させてきた。このようなメカニズムで、“アキバ”という空間としての社会生態系が創造されてきたのである。

また、秋葉原地域は、「経済現象と文化現象を融合させるメカニズム」が存在しているものと思われる。それは、電子部品卸・電子部品小売(流通)を経て電気街になり、更に、電気街から“オタクの聖地”に変貌を遂げた産業転換のメカニズムである。そして、秋葉原地域を歴史的に分析し、秋葉原全体を観察すると“アキバ”という空間の社会生態系が現れてくるのである。

本論文では、その社会生態系(地域全体のマーケティング現象「市場戦略」)をイノベーションの社会的制度化と定義した。この社会生態系のプレーヤーとして「企業家」と「オタク(特定のある産業の専門家)」の集積(人的集積)が新たな産業を喚起し、市場創造の条件として重要なファクターであることも指摘した。
尚、秋葉原市場は「アジール空間」の要素も見られ、地域に「企業家」と「オタク(特定のある産業の専門家)」を集積させる土壌があることも指摘し、そのことが、持続的可能なサステイブルな都市であり続けることの条件の一つであることを示した。

最後に、サステイナブルな都市であるための政策的インプリケーションとして、本論文の考察から”アキバ空間”がインキュベーション機能を有していており、その機能を有効活用する政策が必要であると考える。
このインキュベーション機能は、秋葉原地域においては、産業がロングテールになっていることに起因するものと思われる。

また、本論文の本文中に示したFig.3 のように、地域社会全体で産業を分業させる政策(社会生態学:マーケティング)が必要であると考える。
このことは、産業のエコシステムを構成するプレーヤーである企業が、歴史的な分析により「経営の流れを読む企業戦略」を展開することが重要であることを示している。











キーワード : 秋葉原市場戦略 イノベーション 産業クラスター 社会生態学 (マーケティング) ロングテール
ページ数 : 表紙1 + 本文23
ファイルサイズ : 827KB


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