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第11回マーケティングサロンレポート
「LCCが変える日本の空~Low-Cost-
Carrier2年目の挑戦~」

第11回 マーケティングサロン
「LCCが変える日本の空~Low-Cost-Carrier2年目の挑戦~」

日程:2013年9月24日(火)19:00~21:00
場所:日本マーケティング協会 東京本部
ゲスト:ジェットスター・ジャパン株式会社 取締役常務執行役員 藤岡 秀多氏
サロン委員:浅倉泉・黒岩正一

 

【サロンレポート】ジェットスター・ジャパン株式会社
昨年2012年は「LCC元年」と言われ、3社のLCCが日本の航空業界に本格的な参入をしました。LCCは、先行する欧米において広く普及しており、日本のマーケットにおいても、さらに大きな影響力をもつ可能性を秘めています。
オーストラリアを本拠地とするジェットスターは、アジア太平洋地域の60都市以上に就航するLCCです。日本マーケットにおいては、2011年にジェットスター・ジャパンを設立し、翌2012年から東京/成田をハブとして国内線の就航を開始しています。現在では、国内9都市で就航しています。
本格参入から1年が経ち、ジェットスター・ジャパンのさらなる成長および発展を推進する藤岡氏は、日本の航空会社での業務経験もあります。本サロンでは、様々な視点から日本の航空業界の将来および同社の戦略について語っていただきました。

 

【概要】
なぜ、日本航空がLCCであるジェットスター・ジャパンに出資したのですか?
日本航空がジェットスター・ジャパンに出資を検討しているとき、日本航空で、経営戦略部の責任者を務めていました。世界的には、すでに搭乗者の約30%がLCCを利用しておりましたし、欧米のみならず、他のアジア諸国でもこの流れが来ていたことから、日本でもこの流れは必ず来ると判断しました。
海外でも、大手の航空会社がLCCを始めた事例はありますが、成功した例は多くありません。そのような中、オーストラリア最大手の航空会社である、カンタス航空が作ったジェットスターは、大手が作ったLCCで、成功した数少ない事例と言えます。LCCを始めるのであれば、成功している会社と組んで、学ぶのが得策だと考えたからです。

 
ゲストの藤岡秀多氏 会場の様子
写真左から、ゲストの藤岡秀多氏、会場の様子

 

LCCの歴史について
日本の皆様に、LCCが知られるようになったのは、ここ最近のことです。そのため、LCC自体が最近から開始されたサービスだと思われるかもしれませんが、世界的に見れば、すでに約40年の歴史があります。1970年代、アメリカでサウスウエスト航空等が、ノンフリルサービス(余計なものは全て外したサービス)というコンセプトで開始したのが、LCCの始まりと言われています。

その後、1980年代になると、それまで大手の航空会社が無料で提供していた機内食や飲料、毛布、機内エンターテイメント等のサービスを、LCCは有料で提供するなど、サービス内容を進化させていきます。そして、2012年は、LCCの3社(ジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパン、ピーチ)が本格的に日本に就航したこともあり、「LCC元年」と言われています。さらに、最近では、バニラエアーや春秋航空日本など、他の航空会社も日本のLCCマーケットに参入してきております。

 

LCCの特徴について
LCCの特徴はいくつかありますが、主な特徴として、基本的に「すべてシンプル」ということが挙げられます。業務を運営していくために、複数のマニュアルやスキルが必要になることは、コストの増加につながりますので、機材やシステムなどは、可能な限り統一しております。
つぎに、機材等の回転率を重視していることも特徴です。たとえば、大手の航空会社が、一つの機材で東京↔札幌を3往復させているとすれば、LCCは機材を4往復させようとします。そのためには、空港での駐機の時間を減らすことが必要ですので、客室乗務員は、機内の清掃をおこなう等、一人で何役もこなします。

 

LCC元年を終えてみて
ジェットスター・ジャパンは、現在9都市で就航しています。LCCが本格的に就航した昨年の数値を見ると、既存の航空会社の需要を奪うような傾向はみられず、LCCの増加分が、純増しているような傾向となっています。アンケートを取ってみると、「LCCができたので、初めて飛行機を利用した」やLCCによって、旅行(帰省等も含む)の回数が増えた」という人も多くいらっしゃいました。さらには、「浮いたお金で、旅行先での買い物が増えた」という声も多く聞かれ、私たちが重要視している、「需要の創造」を一定程度実現できたと思っております。

 

ジェットスター・ジャパン2年目の課題
昨年は、就航する都市の行政の方々とも連携をしながら、地域活性化に貢献することができたと思っております。2年目の課題としては、この動きをさらに推進していきたいと思っております。
もう一つの課題は、規制緩和に関することです。日本は良い意味でも悪い意味でも規制が厳しいです。安全・安心に関係する規制はもちろん重要で、ジェットスター・ジャパンとしても、安全な運航はとても重要視しています。ただし、安全に関する規制以外のところでは、規制緩和を関係諸機関に働きかけていきたいと思っております。
現在では、早朝に便を設定しようとしても、その時間に、電車やバスが動いておりませんので、高い搭乗率が期待できません。空港パーキング料金を限定的に安くしてもらって、車で空港に来やすい環境をつくったり、ネットカフェなど、若者が時間をつぶせる場所を空港周辺につくる等、色々な人のニーズに合った環境整備につながる働きかけをしていきたいと考えております。

 

集合写真
集合写真(前列中央 ゲストの藤岡秀多氏)

 

【サロンを終えて】
地域の人口減少が進行するなか、地域活性化には、定住人口だけでなく、交流人口を増やす試みが重要だと言われているようです。ジェットスター・ジャパンをはじめとするLCCサービスの普及によって、日本人のみならず、訪日外国人も含めた多くの人々が、今より、もっと地域に足を運ぶような社会が実現されそうです。多くの人が、その地域の魅力を感じる機会を増加させることで、地域の活性化が一層すすむことを期待したいと思っております。

 

(サロン委員:浅倉泉)

 
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