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第16回マーケティングサロンレポート
「プロ野球独立リーグ・四国アイランドリーグplus 徳島インディゴソックスの経営から見る地方都市の現状と未来」

第16回 マーケティングサロン
「プロ野球独立リーグ・四国アイランドリーグplus
徳島インディゴソックスの経営から見る地方都市の現状と未来」

日程:2014年3月17日(月)19:00~20:45
場所:日本マーケティング協会 東京本部
ゲスト:徳島インディゴソックス球団代表 坂口 裕昭 氏
サロン委員:佐藤桂、小川亮

 

【サロンレポート】
第16回マーケティングサロンでは、四国アイランドリーグplus 徳島インディゴソックスの坂口球団代表をお招きして、地方独立リーグとしてプロ野球チームを経営することの意義と難しさ、未来への可能性についてお話をいただきました。徳島インディゴソックスの動画をご紹介頂いたあと、坂口球団代表からお話をいただき、後半は、今後の球団運営と地方都市の未来について、参加者を交えた積極的なディスカッションが行われました。

 

会場の様子
会場の様子

 

● 四国アイランドリーグplusとは
四国4球団が、年間80試合の公式戦を行うプロ野球リーグです。大都市、大資本だけが持っていたプロ野球を地方、地域が1つになって創る個性的なプロ野球として誕生しました。四国アイランドリーグには「野球界の底辺拡大と選手の育成」と「地域の活性化と地域貢献、そして人材育成」という大きな2つの役割があり、9年間でのべ42名の選手をNPBに選出しています。
以前は200存在した社会人チームがいまや80チームと減少している中で、本格的イン野球を行う場を失った若者にチャレンジの場を提供し、NPB球団出身の監督・コーチがレベルの高い指導を行っています。また、選手たちは野球教室の開催や地域のイベント・お祭りなどへの参加、ボランティア活動を通して、地域活動に積極的に貢献していることで、「私たちのチーム」として地域の皆様に応援していただくという地域社会との良好関係づくりができています。

 

● 徳島インディゴソックスについて
徳島インディゴソックスはその中で、2005年に発足して今年で10年目になるチームです。徳島県の企業や団体477社がスポンサーになり、登録選手は22人、練習生は6名、監督1名、コーチ2名、トレーナー1名、従業員5名というメンバーで運営しています。
監督やコーチ人は一流のスタッフを揃え、年間総合優勝2回(2011年、2013年)、前期優勝1回、後期優勝1回という成績を残し、2007年から2013年までの間に6人のNPB選手を輩出しています。
また、野球教室、学校訪問、スクールガード、祭りへの参加、県産品PR、清掃、募金といった年間213回に及ぶ地域貢献活動が徹底して行われており、地域の人たちとの強いつながりに結びついています。売上もスポンサーが70社だった2009年の4900万円から年々伸び続け、2013年にはスポンサー数477社、売上は145%の7120万円と増加しています。また収支に関しても、単年度黒字には若干及ばないものの共同オーナーシップ制の導入などにより、年間のキャシュフローをプラスにすることに成功し、安定的・継続的な球団運営に向けて着実に前進しています。

 

● 破産寸前からの脱却
坂口球団代表が徳島インディゴソックスの経営を引き受ける以前の2010年までの球団運営には数々の課題があったといいます。根本の原因はNPB型球団経営をそのまま模倣しようという、姿勢、考え方に無理があったのではないかと。
それは、1社依存、タニマチ文化、ビジネス感覚の欠如といった日本のプロスポーツ界の根底にある考え方・方法であり、そこから脱却できなければ、破産寸前の徳島インディゴソックスの未来はないと考えました。
事実、坂口球団代表が経営を引き受ける2011年より前には、地元優良企業1社依存のスポンサードによる球団運営が行われておりその他のスポンサー企業も、その1社の取引業者という状態で、スポンサー探しの営業活動はほとんどされていなかったといいます。
また、徳島という地方都市特有のしがらみもあり、東京出身で弁護士である坂口球団代表は地元の方たちと打ち解けるためにお酒を飲んだり、時にはビールを頭からかけられそうになったりしながら、コツコツとこれからやろうとしている球団運営への理解や協力を作り上げていったといいます。

 

坂口球団代表が経営を引き継ぐにあたって、最もありがたかったのは旧運営会社が撤退するにあたり、今までの負債を残さない形で引き渡されたということでした。旧運営会社の責任者には大変感謝しており、もしそのまま負債が引き継がれていたら、とても新しい運営の一歩が踏み出せなかった。これにより、新しい球団の試みが実行できたといいます。

 

● 2011年~2013年までの球団運営
新たに球団代表となった坂口さんはまず、理念の明確化を徹底しました。会社でも理念がしっかりとしていない会社は繁栄しないのと同じで、球団も理念が大切という考えのもと、2011年は「つながる」という以前からの理念をしっかりと引き継ぎました。

 

「人がつながる」「野球でつながる」「世界につながる」「未来につながる」「安全につながる」この「つながる」という理念は徳島県の理念を参考にしており、日本で震災後「つながる」ということばが意識されるかなり前から、球団理念として掲げています。理念とともに具体的な改革を1つ1つ進めていきます。中でも「負け犬根性を払拭」し強いチームに変えたことは様々な意味で大きな改革でした。フロントと選手がしっかりとコミュニケーションを密にすることで、チームが確実に強くなっていくのを感じられました。事実、2009年は最下位だったチームが2011年と2013年に4回の優勝を果たすまでになりました。理念通り、地域貢献活動を強化し、地域との関係性を深めました。時には地域貢献活動のせいで試合に負けたのではないかとファンに責められることもありますが、「つながる」という理念を選手、フロント一丸となって大切にし、地域、競技ともにいい結果がだせる形を作ってきました。
また営業面でも1社依存から脱却するために小口多数のスポンサー獲得に動き、現在では477社のスポンサー契約を実現し、年間売上の70%となっています。また共同オーナー制度を導入することで、より安定した財務的な経営基盤を作ることに成功し、資金面での安定化を図りました。

 

● この先の10年、そして、100年を考える
坂口球団代表のお話の後、2つのテーマで参加者のディスカッションが行われました。
1つは「今後の戦略」について、徳島インディゴソックスをどんな戦略で経営していくか
もう1つは「地方都市に未来はあるのか」ということでした。
 
戦略については、参加者から

  • 徳島インディゴソックスではなく、四国アイランドリーグplusとしてスポンサーを募ることでより大きなスポンサーを獲得できるのではないか
  • 学校として生徒からお金をもらって、優秀な選手は特待生にする
  • 選手個人・個人に対して投資や寄付をする制度をもうける
  • などのアイデアがでました。

 

また、地方都市に未来はあるかというテーマについては

  • 大学にエスカレータで入学できるような高校を創る
  • 美人県として、美人を集めてPRする
  • といった発言がありました。

 

坂口球団代表は、参加者の意見に大変興味をもたれ、高く評価されたあとに、現実問題としての、今のビジネスモデルの課題、今後の戦略としてのメジャーリーグやアジア地区へのブランチ、高校設立の構想、トレーニング施設の地域開放による収益化などをご紹介いただきました。
また、すだちや人形浄瑠璃、土柱、藍染といった徳島の魅力と人口減、インフラの未整備といった現実的な課題の両面から、徳島の未来への可能性と、長期的視点にたった言葉だけでない地域の活性化のあり方についてまとめてくださいました。

 

集合写真
集合写真(前列中央 ゲストの坂口裕昭氏)

 

【サロンを終えて】
サロン後も多くの方が坂口球団代表と熱く会話を交わすシーンが見られ、地方でのプロスポーツへの関心の深さを感じました。坂口球団代表のお話にあった、地方プロスポーツの生々しい現状とマネジメントの重要性、地方都市の現実と希望は多くの参加者に多くの気づきを与えてくださったとおもいます。

 

ご多忙の中、徳島からお越しいただき貴重なお話をいただき、坂口様、本当にありがとうございました。

 

(サロン委員:佐藤桂、小川亮)

 
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