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第27回マーケティングサロンレポート
「「ザクとうふ」成功の軌跡~豆腐屋の新マーケティング戦略」

第27回 マーケティングサロン
「「ザクとうふ」成功の軌跡~豆腐屋の新マーケティング戦略」

日程:2015年3月24日(火)19:00~21:00
場所:日本マーケティング協会 東京本部
ゲスト:相模屋食料株式会社 代表取締役社長 鳥越 淳司 氏
サロン委員:薮原和雄、中谷淳一

 

【サロンレポート】
豆腐業界について
 とうふ屋とおできは大きくなるとつぶれると昔から言われており、売上100億の壁を突破できる会社は存在しなかった。事実、豆腐業界上位5社は相模屋食料を除いて、スーパーや納豆などの他業種からの進出組である。
 豆腐屋の多くは、もともと家族経営から出発しており、家族経営の延長線上のオペレーションでは規模が大きくなると破たんしてしまう。市場の大きさの割に零細企業が多く、過去に大企業が何社も参入してきたが、大企業の管理コストではおとうふの単価、利益率に見合わず、いずれも撤退している。
 
鳥越社長 サロンの様子
写真左から、鳥越社長、サロンの様子
 

相模屋食料の戦略
 ザクとうふの爆発的なヒットもあり、ユニークな新商品戦略が事業の柱だと考えられているが、実は基本となる「木綿」と「絹」に徹底的にこだわっている。おとうふ市場は、超成熟市場であるから市場成長は難しいと考えられているが、皆が皆そう考えているからこそ、逆にチャンスがあると考えている。
 おとうふは伝統食品であるからこそ、業界に関わる人の常識の壁は非常に強固なものになっている。例えば、大ヒットしている「焼いておいしい絹厚揚げ」は、原材料にタピオカでんぷん粉を使っており、伝統的な豆腐の作り手からは「邪道」と非難を浴びた。しかしながら、タピオカでんぷん粉を使うことで、これまでにないモチモチ感を出すことができ、この新しいモチモチ感が消費者にウケた。
 商品を購買するかどうかを決めるのは、消費者であり、消費者は美味しいものを食べたいと思っている。伝統的な作り方だからといって購入している訳ではない。作り手はいかに美味しいものを作るかということを考えなくてはならないのに、常識に捉われそれが見えなくなっている。

 

ザクとうふについて

ザクとうふ
©創通・サンライズ

 自身(鳥越社長)がガンダム好きだから実現できた商品。好きだから圧倒的に取り組むと認めて貰える!と考えている。ザクとうふは以下の3つの「初めて」を達成した。
 ・初めて、豆腐に興味がない30から40代男性がおとうふ売り場に殺到した
 ・初めて、何もつけずにそのままおとうふを食べてもらった
 ・初めて、1(機)丁を一人でまるごと食べてもらえた
 発売記念発表会を開催し最初はソーシャルメディアで爆発し、その後マスメディアに取り上げられ、400以上のメディア露出を果たすことができた。実は、発表会はソーシャルを狙ったものではなく、ガンダムに登場するシャアの声優である「池田秀一」さんにお会いしたい一心で企画した。
 ヒットの要因を分析すると、おとうふ×ザクのまさかの組み合わせでインパクトがあったことに加えて、ターゲットは自分自身(鳥越社長)であり、自分が本当に欲しいものを徹底的にこだわって作り上げたことで「仕掛け感の無さ」に繋がったのではないか。
 この成功を通して、おとうふ市場においてもターゲット(30~40代の鳥越社長と同世代)を絞ったマーケティングが有効であるという経験を得ることができた。

 

相模屋食料の経営について
 圧倒的なスピードを重視しており、阻害する要因は徹底的に排除している。きれいにやろうとは思っておらず、泥臭く根性で突き進むようにしている。そのために社員に対して次の事を常に言っている
 ・私たちはエリート集団ではない
 ・ゲリラ屋の戦い方を忘れていないか
 ・白兵戦で取り組んでいるか
 ・常に鍛錬しているか
 ・自分の勝ちパターンを作ろうとしているか
 ・形にこだわっていないか
 ・自分の言葉で考える
 圧倒的に努力して気合と根性でやりぬく、そして、必殺技は「最初」に出す。我々の必殺技は、たいしたものではない。時間がたてば他社はもっとすごい必殺技を出してくるので、圧倒的なスピードを武器に他社に先んじるのが、我々の戦い方である。

 

【サロンを終えて】
 「ガンダム」というコンテンツとのコラボレーションよりSNS等で話題なり、異例の大ヒットとなった「ザクとうふ」。今回のサロンにて鳥越社長は「ザクとうふ」の成功要因の1つに「仕掛け感の無さ」をあげられていた。確かに、SNSの普及により、ネット上でのクチコミを狙った商品、販促活動の事例は枚挙にいとまがないが、その多くは「狙っている感」が拭えない。
 SNSを活用した販促を行うためには、「狙っている感を感じさせない」ことは重要なポイントとなろう。では、そのためにはどうすれば良いのだろうか。その答えが今回の鳥越社長のお話の中にあったように思う。

 

集合写真
集合写真(前列中央がゲストの鳥越社長)

 

(サロン委員:薮原和雄、中谷淳一)

 
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