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研究報告会レポート

第3回スポーツマーケティング研究報告会レポート「スポーツ×アカデミックを考える」

第3回 スポーツマーケティング研究報告会 > 研究会の詳細はこちら
早稲田「スポーツMBA Essence」 開講記念セミナー
テーマ:「スポーツ×アカデミックを考える」
日 程:2017年6月2日(金)19:00-20:40
場 所:早稲田大学 大隈記念講堂 大講堂
主 催:早稲田大学スポーツナレッジ研究所
共 催:日本マーケティング学会 スポーツマーケティング研究会
    早稲田大学スポーツ科学研究センター
    早稲田大学商学学術院総合研究所 WBS研究センター
協 力:株式会社 電通
 

【セミナーレポート】
 早稲田「スポーツ MBA Essence」開講にあたり、国内外のスポーツ界で活躍されている方々をお招きし、「スポーツ×アカデミックを考える」をテーマにセミナーを開催した。

 

1. Real Madrid C.F. / New Media Business, Community Manager
  酒井 浩之(さかい ひろゆき)氏

酒井浩之氏 レアル・マドリードの大学院、スポーツマネジメントのMBAコースに日本人として初めて合格し入学した。レアル・マドリードが地元の大学と提携をして直接運営をしており、校長は1980年代に選手として活躍した伝説のエミリオ・ブトラゲーニョ氏。クラブ自ら優秀な人材を育て、世界中にネットワークを築くのが目的で、そのためなるべく多くの国から生徒を集めており、日本というエリアを意識しているのかもしれない。レアル・マドリード大学院では過去のレアルを復活させたマネタイズについて学んだ。サッカーの試合がメインの会場は年間にすると約300日以上も試合が行われていない中、どうやって売り上げを生み出しているのか。そして日本とスペインの違いについても学んだ。レアルは本拠地、サンチャゴ・ベルナベウの改修を行う。新スタジアムは外側にスタジアム内を放映できる巨大スクリーンや、ショッピングセンター、レストラン、娯楽施設、ホテルなどの商業施設が建設される。現地で5本の指に入るシェフが料理人を務めたりすることで試合以外の日の集客をするマネジメントを行っている。スポーツ界にお金がない今、スポンサードをしている企業はほとんどスポーツの会社ではない故に、レアルのマネジメントのように、スポーツ競技に固執しない領域でビジネスポイントを見つけることが今後のスポーツ界にとって大事になってくるのではないか。
 

2. 日本オリンピック委員会 国際部
  山下 祥(やました しょう)氏

山下祥氏 MBAをとろうと思った背景には20歳時の留学経験のリベンジやスポーツビジネスとMBAの渇望、サッカーでの英国への憧れや他者からの刺激があったからである。リバプールMBAで得たものは成功事例の知見やアカデミックな分析力、そしてそのMBA思考と自身の経験をすり合わせたときの発見・気づきである。そして何よりも人脈である。Jリーグや英国サッカーリーグ、そして現在自分が携わっている日本スポーツ界との接点が増えたのもひとつである。
 JOC (Japanese Olympic Committee)の目的はオリンピック憲章に基づく国内オリンピック委員会(NOC)としてオリンピックの理念に則り、オリンピック・ムーブメントを推進し、スポーツを通じて世界平和の維持と国際友好親善に貢献するとともに我が国のスポーツ選手の育成・強化を図り、更なるスポーツ振興に寄与することである。そのためにJOCは5つの活動を行う。選手強化、アスリート支援、オリンピック・ムーブメント推進、国際連携、自律・自立である。
 オリンピックとは単なるスポーツイベントではない。Olympic city becomes “world expo”、オリンピックを機会に競技関係施設やその周辺では、NOC(National Olympic Committee)や企業、政府,IF(国際競技連盟)等がショーケースを設置し競技だけでなくさまざまなオリンピック関連のムーブメントが起こる。東京でオリンピックが開催されることを契機に、スポーツコンテンツホルダーの経営力強化やスポーツ分野の産業競争力強化などを行い、スポーツ界を成長(スポーツ市場規模の拡大)させることが求められる。そのためにもスポーツ界にはビジネスマインドをもち、クリティカルな考え方ができ、ハブとなれる情熱的な人間力に溢れている人材が求められる。
 

3. 四国アイランドリーグplus、(株)IBLJ 代表取締役
  中村 俊洋(なかむら としひろ)氏

中村俊洋氏 MBAは自分の人生を変えることができる。イマヌエル・カントの「理論泣き実践は盲目であり、実践なき理論は空虚である」という言葉のとおり、理論と実践は両方そろって初めてビジネスの役に立つのだ。それを可能にするのがMBAだと考える。たとえば人脈の観点では職種年齢も価値観もバラバラで、いろんな視点をもつことができるのと同時に、自然発生的に生まれるビジネスコミュニティの爆発的な広がりなどがある。知識の面では、今まで以上に本を読む機会が増え、数えきれないほどの理論を学び、その結果アウトプットの質と量が比べものにならないくらい良くなる。そしてその広い視野で広いコミュニティ間でそれぞれの経験や価値観と理論をすり合わせて共有するという行為が、事業の本質を考えるきっかけとなり、実践力へとつながる。その間、さまざまなバックグラウンドや夢を持った人たちに囲まれ、知識・理論共に養われていく中でもう一つ重要なことは、自分のキャリアについてちゃんと考えることである。ビジネス人脈や知識の幅が広がった後は、人生や仕事生活の節目ごとに何が得意か、何がやりたいか、何に意味を感じるかを自問しキャリアを自覚的に選択することが大事である。そしたらあとは習得した自分の武器を活かしてアクションを起こすだけである。
 四国アイランドリーグplusの事業目的は、スポーツ界の目的ともいえる。まず人材育成、野球界の裾野拡大、そして地域の活性化と地域貢献の3つである。収益性よりも外部性に重きを置いているため、経営の難しさがある故に四国アイランドリーグplusが事業として成立するには、新たな価値創出が必要不可欠である。
 

4. WBS研究センター所長 大学院経営管理研究科教授
  長谷川 博和(はせがわ ひろかず)氏

長谷川博和氏 ジョン・P・コッターの『企業変革力』では、次の順番が大切であるという。危機意識を高める→変革推進のための連携チームを築く→ビジョンと戦略を生み出す→変革のためのビジョンを周知徹底する→従業員の自発を促す→短期的成果を実現する→成果を活かして、更なる変革を推進する→新しい方法を企業文化に定着させる。MBAに参加することが、これらをひとつひとつこなしていくことができるようになる第一歩なのではないか。世界のスポーツマネジメント大学院のランキングはオハイオ大学が圧倒的な地位を確立しているが、今後はそこに早稲田も食い込んでいきたい。
このプログラムの特色として6つあげられる。
1. 大学による日本初のビジネススクール連携
2. スポーツとビジネスに精通した著名な講師陣
3. スポーツと文化・ビジネス・観光を網羅する多様な講義科目
4. 多様な受講生によるディスカッション
5. 実践的で体系的な講義内容
受講しやすいスケジュール、交通至便な早稲田キャンパス
 
5. 早稲田大学スポーツ科学学術院教授
  原田 宗彦(はらだ むねひこ)氏

原田宗彦氏 スポーツMBA Essence(以下SMBAE)は日本初となる、スポーツ×ビジネススクールの連携カリキュラムである。ノンディグリーではあるが学位プログラムに比べて自由度が高いので自己本位的な学びを楽しむことができる。しかもカリキュラムは高品質なトップクラスの講師が主導となっている。宿題や課題は「義務」ではなく「権利」として考え、自ら行う意思を尊重する。そして何よりも「弱い結びつきの強さ」から生まれるイノベーションの機会、という入山章栄さんの言葉通り、SMBAEでは、グループ学習とアフタースクールの時間を重視し、新しい人や知の弱い組み合わせを増やしてもらいたいと考えている。最終的にグループプレゼンを予定しており、これも同じく希望したグループがプレゼンをする「権利」を与えられるという仕組み。
 SMBAEの対象は、ビジネスをしながらスポーツを学ぼうとするビジネスパーソンと、スポーツ関係者でビジネスを学ぼうとするスポーツパーソンであるが、高齢化と人口減に直面する自治体関係者にも広く門戸を開放している。
 
会場の様子

 
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