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研究報告会レポート

第17回ソーシャル・メディア&ビジネス研究報告会レポート「万年筆インク「神戸インク物語」による市場創造と地域魅力発掘」

第17回 ソーシャル・メディア&ビジネス研究報告会 > 研究会の詳細はこちら
 
テーマ:万年筆インク「神戸インク物語」による市場創造と地域魅力発掘
講演者:
竹内 直行 氏(株式会社ナガサワ文具センター 商品開発室 執行役 室長) 
金井 啓修 氏(陶泉御所坊 15代目当主/有馬温泉観光協会 会長)
曹  英生 氏(南京町商店街振興組合 理事長)
松下 麻理 氏(神戸フィルムオフィス 代表)
慈  憲一 氏(六甲技研 代表取締役)
廣田 章光 氏(近畿大学 経営学部商学科 教授)
 
日 時: 2018年6月29日(金)16:30-18:20
会 場:デザイン・クリエーティブセンター神戸(KIITO)303号室

 
 神戸に本社を置くナガサワ文具センター(創業、1882年(明治15年))が2007年から発売を開始したボトル入り万年筆用インク商品が「Kobe INK物語」である。
http://kobe-nagasawa.co.jp/category/originalitems/kobeink/
 

提供:ナガサワ文具センター
 
 神戸の「地域の色」をインク色として商品化した。インク色を取材の中から見出し、ネーミングとその決定にいたるプロセスを伝える「ストーリー」が評価され、使い手の想いを色で伝える、使い手の表現を拡大するなどの新たな価値を創造した。2007年に「六甲グリーン」を第1集 (「物語」が各インク色に存在する設定のため、個々の色の連番を「第●集」と表現する)として発売した。2018年6月現在、定番色で67色、それ以外に特定店舗限定色として6色、神戸市内で開催された国際美術展の展示作品と連動した「Kobe INK 世界の美術限定シリーズ 」が期間限定色として9色が存在する。2007年~2017年に開発したインクは80色にも及ぶ。さらに、10年間開発したインクは期間限定色の9色を除き廃番になっていない。2017年は銀座伊東屋と連携し「銀座ゴールドセピア」を発売すると共に、神戸市観光局と連携し体験型旅行「おとな旅・神戸」の中心プログラムにまで発展している。これらのマーケティング活動が評価され、日本マーケティング協会の第10回 日本マーケティング大賞 奨励賞を神戸企業として初めて受賞した。
https://www.jma2-jp.org/award
 

 
 研究会の冒頭には、急遽、参加頂いた久元神戸市長から神戸インク物語の神戸ブランドについての意義と、マーケティング大賞受賞によってさらなる認知の拡大が期待されること、さらに神戸インク物語の神戸型マーケティングモデルの横展開の可能性についても指摘があった。
 

提供:ナガサワ文具センター
 
 前半は、開発者のナガサワ文具センター竹内直行氏と近畿大学 教授の廣田氏のクロストーク形式による開発の経緯とマーケティング展開を2007年から順次確認した。また地域の特性を現地の人々および地域の観察によって引き出して色とネーミングに反映するプロセスも明らかにされた。後半は、地域の色を共創した地域のキーマンである、有馬温泉観光協会長 金井啓修氏、南京町商店街振興組合 理事長 曹 英生氏、六甲技研 代表取締役 慈 憲一氏(水道筋商店街)3名と竹内氏、松下麻理氏とのクロストークを通じて、地域資源の発掘のあり方、発信の方法、デジタル・マーケティングとの連携について確認した。その後、フロアから活発な質問を交えて地域の魅力を発信するための手がかりについて議論が交わされた。
 

提供:ナガサワ文具センター
 
(報告書作成:廣田 章光)

 
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