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研究報告会レポート

第2回物語マーケティング研究報告会レポート「日清食品の物語マーケティング 〜超ロングセラーブランドが、物語で再び輝きだす〜」

第2回 物語マーケティング研究報告会 > 研究会の詳細はこちら
テーマ:日清食品の物語マーケティング 〜超ロングセラーブランドが、物語で再び輝きだす〜
ゲスト:深澤 勝義 氏(日清食品ホールディングス株式会社 執行役員・CMO)
日 程:2019年3月28日(木)18:30-20:00
場 所:一橋大学経営管理研究科千代田キャンパス 大講義室

 

【報告会レポート】
 物語マーケティング研究は、従来は企業が持っているシンボリックな物語を発信し生活者を動かす、という事に焦点がありました。つまり語り手と受け手を、固定的なものとして捉える傾向がありました。しかし研究会では、生活者による「語り」(ナラティブ)を含めた視座を提唱。語り手と受け手が物語を語り合う相互活動に注目し、その理論化を目指してきました。
  今回ゲストにお迎えした、日清食品ホールディングス株式会社 執行役員・CMOの深澤勝義氏は、花王でブランドマネージャーとして、「アジエンス」などの新ブランドの立ち上げ、「エッセンシャル」や「メリット」といったロングセラーブランドの再生を手がけ、「アタックNeo」の立ち上げを遂行されました。
 その後、日清食品でCMOに就任、「カップヌードル」や「どん兵衛」、「カレーメシ」など数多くの話題を発信し、生活者による「語り」を生み出しておられます。
 今回の報告会では、その事例を講演としてお伺いし、生活者による「語り」(ナラティブ)を含めた視点からその取り組みについて考察することを目指しました。
 当日は定員いっぱいの申し込みを頂き、多くの皆さんが参加されました。
 

会場の様子、定員いっぱいの申し込みを頂きました
 
 最初に研究会メンバーの博報堂・牧口さんから、解題を行いました。昨今のターゲットを既存顧客に絞ったCRM特化の傾向に疑問を呈し、特に消費財ではリピートだけにフォーカスするのでは、どんなに強力なブランドであっても事業的な成果は出ないであろうことを事例で提示。その上で、物語マーケティングの最終的な焦点は、新規顧客に向けたマス発信にあることを示しました。
 

博報堂・牧口さんによる解題
 

 続いて、深澤氏から日清食品がいかにして生活者の語りを引き出しているかについて、カップヌードル・カレーメシ・チキンラーメン・UFO・どん兵衛といった豊富な事例を通して紹介頂きました。いま生活者の中で話題になっていることをいち早く捉え、自社コンテンツ化して発信し、生まれた相互の語り合いをさらに広げていく。そこには独自のネーミングをした「流儀」、さらにはトップも含めた機を捉える体制がありました。
 

深澤様によるご講演
 

 続いての質疑の時間では、研究会メンバーである松井先生(一橋大学)・増田先生(千葉商科大学)・津村先生(中京大学)から、シナリオ設計や社内体制などについて質問。会場からも計画段階の要点や、成功の要点・リスクに対する向き合い方など、実際的な質問が出されました。最後に総括として、松井先生から流儀などの独自のネーミングを捉え、その「言葉」の活用のうまさについて示唆がありました。

 

公開質疑
 
 日清食品の先進的な取り組みは、まさに物語マーケティングの成功事例の宝庫。今回は事例だけでなく、花王時代からの深澤様の知見に基づいたお話、さらに丁寧な質疑応答から、物語マーケティングの理論化に向けた多くの学びがありました。
 事後に内田先生からの示唆を頂いた通り、コミュニケーションのルートが「マスから個」が「個からマス」に変化していること。そしてその環境において、物語の活用が大きく変わってきていることが強く印象に残った報告会となりました。
 

深澤様と研究会メンバー
 

(文責:メンバー代表 岩井 琢磨)

 
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