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研究報告会レポート

第4回カスタマー・エンゲージメント研究報告会レポート「デザイン思考のフレームワークの構築」

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テーマ:「デザイン思考のフレームワークの構築」
報告者:David Dunne 氏(カナダ・ビクトリア大学 経営学部 教授)
    菊池 一夫 氏(明治大学 商学部 教授)
    庄司 真人 氏(高千穂大学 商学部 教授)
    町田 一兵 氏(明治大学 商学部 准教授)
日 程: 2019年12月20日(金)18:30-20:30
場 所:明治大学 駿河台キャンパス リバティタワー1135教室

 

【報告会レポート】
 今回は組織のイノベーションのトリガーとなるデザイン思考に着目して、「デザイン思考のフレームワークの構築」というテーマで研究会を行いました。
 まずデザイン思考とその組織への普及問題として、David Dunne教授からは「Design Thinking at Work: How Innovative Organizations Are Embracing Design」というテーマで報告がなされました。同教授からは組織イノベーションにおけるデザイン思考の重要性と同時に、組織にはトレード・オフがあるために、デザイン思考導入への緊張感が組織内に走ることになります。それらは、①デザイン思考家と組織の距離から生じる緊張感、②破壊的イノベーションの実行にあたって生じる緊張感、そして③視野の違いによって生じる緊張感です。組織変革を遂行するにあたり、組織内の緊張感を理解し、リフレーミングを通じて対処することがデザイン思考家に求められることが報告されました。
 続く菊池一夫教授は、「Design Thinking at Work:日本企業への適用と挑戦課題」というテーマで報告を行いました。これまでのデザイン思考に関する研究のレビューを行い、David Dunne教授の主張するデザイン思考のエッセンスとその独自性を説明され、日本企業に導入する場合の問題点や方向性について発表がなされました。
 庄司真人教授は、「地域におけるエコシステムのデザイン」というテーマで報告を行いました。山形県の取り組みをビジネスエコシステムの観点から捉えて、県庁と中小企業のデザイン思考導入についての事例報告がなさました。
 町田一兵准教授は、「交通・物流領域におけるデザインシンキングの活用」というテーマで報告をしました。そこでは倉庫業界と旅行業界についてのデザイン思考の事例研究を報告し、経営者のコミットメントとリフレーミングの重要性を指摘されました。
 その後、井上崇通氏(明治大学商学部教授)を交えて、パネルディスカッションを行いました。その際には、デザイン思考の導入にあたって、組織の文化的な圧力や組織の評価尺度の問題やデザイン人材の育成についての議論がなされました。David Dunne教授からはデザイン思考の中小企業導入の可能性についても指摘がなされました。
 
報告会を終えて
 今回はデザイン思考というテーマで研究会を開催しましたが、S-Dロジックの価値共創やエコシステム論に類似した考え方もあり、概念的な親和性について理解することができ、実りのある研究会になりました。デザイン思考はイノベーションを促進させる要因としてもてはやされるきらいがありますが、その重要性は認識しつつも、組織内に導入する際には十分に配慮された普及戦略が必要であることが理解できました。
 

当日の会場風景です。写真はDavid Dunne教授の報告している様子です。Dunne教授を挟んで、正面左に進行担当および報告者の菊池教授、右に報告者の町田先生と庄司先生が着座されています。
 

会場は定員30名で満席でした。
 

(プロジェクトリーダー:井上 崇通)

 
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