ニュースリリース

第150回マーケティングサロンレポート「ネスレ日本のマーケティング経営」

#いまマーケティングができること

第150回マーケティングサロン(春のリサプロ祭り・オンライン)
テーマ:ネスレ日本のマーケティング経営
 
日 程:2022年3月19日(土)13:00-14:30
場 所:Zoomによるオンライン開催
ゲスト:石橋 昌文 氏(ネスレ日本株式会社 チーフ・マーケティング・オフィサー、専務執行役員、マーケティング&コミュニケーションズ本部長 / 日本マーケティング協会常任理事 / 日本マーケティング学会常任理事)
サロン委員:清原 康毅(司会進行)、京ヶ島 弥生
 
【ゲストプロフィール】
石橋 昌文 氏
ネスレ日本株式会社 チーフ・マーケティング・オフィサー、専務執行役員、マーケティング&コミュニケーションズ本部長 / 日本マーケティング協会常任理事 / 日本マーケティング学会常任理事
1985年 神戸大学経済学部卒業 ネスレ日本株式会社入社 営業本部
1990年 ネスレUK ネスレロントリー事業部
1992年 ネスレマッキントッシュ株式会社 マーケティング部(現 コンフェクショナリー事業本部)
1999年 ネスレスイス本社 コンフェクショナリー SBU
2001年 ネスレコンフェクショナリー株式会社 マーケティング統括部(現 コンフェクショナリー事業本部)
2009年 ネスレ日本株式会社 常務執行役員 コミュニケーションズ&マーケティングエクセレンス本部長
2012年 チーフ・マーケティング・オフィサーに就任(マーケティング&コミュニケーションズ本部)
2017年 専務執行役員に就任
 
【サロンレポート】
 第150回目のマーケティングサロンは、ネスレ日本のCMO石橋昌文さんに、同社のマーケティング経営をテーマにお話いただきました。同社は、食に関わる事業で1866年に創業、現在は世界で2000以上のブランドを有しています。参加者からも、朝のコーヒーはネスカフェです、や、キットカットのケースを教える時に質問すると食べたことがない学生はいない、などの声も出て、改めて同社のブランドが常に私たち消費者の身近にあることを再認識しながら、サロンは進みました。
 
ネスレ日本のマーケティング経営とは
 マーケティングとは、顧客の問題解決を通して新たな価値を創造することですが、同社はCSV、パーパス、サステナビリティーの取り組み、各ブランドの施策のすべてで、これを指向しています。また、これを実際の社員の業務、行動面でも徹底して要望し、評価しています。
 
 また、このマーケティング経営は、グローバル企業ネスレ全体というより、ネスレ日本独自の経営の考え方にある、とのことです。会社の中でマーケティング思考を発揮して仕事にあたる社員の育成には、2011年にスタートした「イノベーション・アワード」の存在があります。これは単なるアイディアコンテストではなく、実際に実行されたプロジェクトに対し、個人を表彰する仕組みです。自分の業務の中で顧客を設定し、その顧客課題を抽出し、解決を実行レベルで行い、その結果を毎年提出。マーケティングや事業部門だけでなく、スタッフ部門も含む2400人の社員から4000件以上が集まりますが、こうした取り組みで社員の実力が上がり、実際の事業にも貢献していると言います。
 
 その大前提を理解した上で伺う「キットカット」「ネスカフェ」のケースでは、その課題解決に向けての思考のプロセスを、具体レベルで詳細にお聞きすることができました。
 
 参加者からは、ブランド単位の各論の施策から、グローバルの経営についてまで、幅広く多くの質問が出ましたが、丁寧に細かくお答えいただきました。
 

 
【サロンを終えて】
 あまりにも有名なネスレ社、そして、キットカット、ネスカフェなどのブランド。学部生向けの授業でも繰り返し紹介され、一般マーケッター向けのセミナーでも聞く機会も多くあり、知った気になっていただけだったことを痛感しました。
 
 「顧客の課題解決」というマーケティングの基本は、同社だけでなく社会が直面する「新しい現実」の中でどうワークさせていくべきか。実務家として、マーケッタ―としては、この視点をそらさず、しかしあくまで実践の中で結果を出していく必要があります。
 また、教員として学生に伝えるときに、結果実績としての成功ケースの紹介にとどまらず、「なぜこれが実現されたのか」という問いが、教育現場で学生のマーケティング思考を醸成する根幹となるであろうと思います。
  
 日本マーケティング学会の創設時から常任理事を務めていただいている石橋さんのお話は、研究者と実務家が交差する当学会のこれからの「新しい現実」とその課題解決にも示唆を与えてくださいました。
 
 ぜひ、まだの方は録画視聴をご覧ください。
 
(文責:京ヶ島 弥生)

 
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