ニュースリリース

第191回マーケティングサロンレポート「レジェンド企画:『マーケティング研究と私:和田充夫;ライフスタイル・ブランド研究50年の軌跡』」

第191回マーケティングサロン:春の三都市リサプロ祭り:福岡会場
 
テーマ:レジェンド企画:「マーケティング研究と私:和田充夫;ライフスタイル・ブランド研究50年の軌跡」
 
日 程:2024年3月9日(土)16:00-17:20
場 所:福岡大学およびZoom使用によるオンライン開催

  1. 講演「マーケティング研究と私:和田充夫;ライフスタイル・ブランド研究50年の軌跡」
    和田 充夫(慶応義塾大学 名誉教授)
  2. 鼎談「マーケティング研究と私:和田充夫;ライフスタイル・ブランド研究50年の軌跡」
    和田 充夫(同上)
    新倉 貴士(法政大学 経営学部 教授)
    山口 夕妃子(佐賀大学 芸術地域デザイン学部 教授)

司会:八塩 圭子(東洋学園大学 現代経営学部 教授)
 
企画運営委員:新倉 貴士
サロン委員:山口 夕妃子、小野 和美、副田 治
 
【ゲストプロフィール】
和田 充夫 氏和田 充夫
1944年生まれ

<経歴>
慶応義塾大学経済学部卒業
ミシガン州立大学経営学部大学院修士課程修了(MBA)
ペンシルバニア州立大学経営学部大学院博士課程修了(Ph.D)
慶応義塾大学大学院経営管理研究科教授
関西学院大学商学部教授
を歴任し現在、慶応義塾大学名誉教授

<主著>
『ブランド・ロイヤルティ・マネジメント』(同文舘出版、1984)
『関係性マーケティングの構図』(有斐閣、1998)
『関係性マーケティングと演劇消費』(ダイヤモンド社、1999)
『2010年小売維新』(中央経済社、1999)
『ブランド価値共創』(同文舘出版、2002)
『地域ブランド・マネジメント』(共著、有斐閣、2009)
『マーケティング戦略 第5版』(共著、2016)
『ブランド・インキュベーション戦略』(共著、有斐閣、2020)
その他多数
 
【サロンレポート】
 今回のサロンは、企画運営委員会とサロン委員会の初コラボ企画(レジェンド企画)で実施されました。マーケティングの「レジェンド」として和田充夫先生をお迎えし、ご自身のマーケティング研究とその実践を振り返っていただき、研究や実践に対する問題意識や発想の原点、研究や実践への取り組み方など様々な角度から語っていただきました。
 
概要
 私は大学卒業後、就職をしました。その実務での体験は、ブランド力の強さを感じる連続の体験で、メーカーの人間が小売店を回って陳列の工夫をすることやセグメンテーションの重要性を目の当たりにし、研究会を社内で行うようになりました。
 その後、会社を休職して、ミシガン州立大学大学院で一生懸命勉強しました。レイザー教授の推薦でペンシルベニア州立大学へ行って、博士号を取得しました。その時に結婚して、子供はひとり授かって、帰国しました。学位は「Life style and Brand Choice」を取得し、慶応義塾大学のビジネススクールに就職しました。
 慶応義塾大学のビジネススクールには1977年-2007年まで在籍し、ケーススタディ分析を中心に知行合一の実践が中心でした。私は、理論と実践について慶応義塾大学で研究を行うこととなりました。その当時、ブランド・ロイヤルティの本は1冊しかありませんでした。このブランド・ロイヤルティついての研究成果をまとめ、『ブランド・ロイヤルティ・マネジメント』(同文舘出版)を出版しました。
 この本を執筆している当時の日本の研究の多くが流通をベースとしたパワー・コンフリクト論に焦点を当てたのもが多く、私は、消費財を対象とした企業と顧客がインタラクションをおこすマーケティング構図を明らかにしようとしました。その問題意識が、関係性マーケティングの研究へと進化していきました。その成果は『ブランド価値共創』(同文舘出版)という本として出版されました。
 
講演の様子 この『ブランド価値共創』で扱っている商品はコモディティ商品ですが、本当にコモディティ商品にブランド価値があるのかという疑問が沸きあがってきて、消費者がどの程度商品に関与しているのかという視点が重要ではないかと思いました。そのように考えると宝塚ファンは超関与消費者であるということに気づいたのです。そこがまさにブランドではないかということで、応用例として研究を進め、執筆し成果としてまとめた本が『関係性マーケティングと演劇消費』(ダイヤモンド社出版)でした。この研究は、どのようなプロセスを経て、ブランドとなるのかというブランド開発過程を明らかにする研究ではありません。その孵化する過程と協創することによってブランドとなっていくと考えています。ファンのことをサポーターと呼ぶというようなことも協創の例であると考えます。役者は観客がいるから演じることができます。インタラクティブな関係で関係性マーケティングと観劇消費を考察しました。
 現在の研究の関心はアートが彩るライフカルチャーです。私の研究はマーケティングという学問は、現実に役に立つのであろうかという視点から出発しました。学問と実際の現場の融合がどのようにできるのかと考えて研究を続けています。マーケティングは「知行合一」と「一意専心」であると考えています。
 
【サロンを終えて】
講演の様子 和田先生は、ご自身のマーケティングを実践されていた経験と、その経験からでてくる学問への問いについて語って頂きました。和田先生のこれまでの研究は、ブランド・マネジメント、小売経営、演劇消費など様々な領域で数多くの示唆を与えてこられました。鼎談に登壇して頂いた新倉貴士先生と和田先生の師弟関係の貴重なお話をお伺いしました。また関西学院大学時代のお話を司会の八塩圭子先生と和田先生のお話の中から、和田先生のマーケティングに対する熱い情熱と「マーケティングは愛である」というお言葉を頂きました。今なお、現役の研究者として活躍している和田先生から、鼎談や質疑応答では貴重なメッセージを頂き、会場・オンラインと多くの会員の方にご参加いただき活発なサロンとなりました。
 
集合写真
 
(文責:山口 夕妃子)

 
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