ニュースリリース

第207回マーケティングサロンレポート「Z世代を熱狂させる関西コレクションの挑戦 ― 大阪から世界へ発信する ―」

第207回マーケティングサロン:三都市カンファレンス:大阪会場
 
テーマ:Z世代を熱狂させる関西コレクションの挑戦 ― 大阪から世界へ発信する ―
 
日 程:2025年3月8日(土)16:20-17:30
場 所:武庫川女子大学およびZoom使用によるオンライン開催
ゲスト:株式会社KANSAI COLLECTION 取締役社長 中川 博之
サロン委員:高橋 千枝子、三木 政英、出野 和子、小島 弘雄
 
【ゲストプロフィール】
中川 博之
中川博之氏は、株式会社KANSAI COLLECTIONの取締役社長として、関西コレクションを日本のファッション業界における注目のイベントへと成長させた立役者です。2011年に「関西コレクション」を立ち上げ、2014年にはモデル・ダンススクール「関西コレクションエンターテイメント」を設立。全国5拠点にスタジオを展開し、所属モデル・ダンサーは現在1,000名以上が在籍。パリコレ出演者や各種ミスコンでのグランプリ獲得など、多方面で活躍する人材を輩出しています。
現在は、立命館大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)でMBA取得を目指し在学中(講演当時)。
 
【サロンレポート】
関西コレクションの歩み
中川 博之 氏 関西コレクションは、京セラドーム大阪で年2回開催される日本最大級のエンターテインメントイベントです。東京のファッションイベントと比較されることもありますが、大阪発祥のイベントとしてゼロからイチを創り上げてきました。
 2018年には、当時知名度の低かったYouTuberの出演を取り入れたことで大きな話題を呼び、来場者の熱狂的な反応から時代の変化を感じ取ることができました。また、ドームの広さを活かし、ステージと同じアリーナエリアにヘアメイク、ヘアアレンジ、ネイル、ボディーケアなどの体験型ブースを設置。これらの要素は、日本の古き良き「お祭り文化」に根ざしたものと考えています。
 関西コレクションの初開催時(2011年)は、13,000名の来場者を集めました。当時は、大阪市内で大型商業施設の開発が進み、スマートフォンの普及によるSNSの台頭といった時代背景も追い風となりました。
 
コロナ禍を乗り越えた再構築
 順調に拡大を続けてきた関西コレクションですが、2020年には新型コロナウイルスの影響で開催4日前に中止を余儀なくされました。しかし、2021年に再開する際には、独自の感染対策ガイドラインを策定し、イベントの実施にこぎつけました。
 さらに、オンラインでの情報発信を強化。2021年当時、来場者制限がある中で、LINEを活用した動画配信を行い、関西コレクションの知名度を向上させました。ライブ配信は200万PVを記録し、総フォロワー数2億1,000万人という規模で情報を拡散。リアルイベントの演出にも注力し、映像・音響・ライティングを強化したことで、「次回は実際に行ってみたい」と思わせる仕掛けを作りました。
 また、会場内での撮影を解禁し、来場者によるSNS発信を積極的に促進。その結果、2024年にはアリーナ指定席が販売開始43分で完売し、23,000人以上の来場者を記録しました。
 
現在の展開と新たな試み
 最新の2025年3月開催では、TikTok LIVEに加え、新たにLINE VOOMの参画が決定。さらに、Z世代に人気の「Bereal」にも注目し、イベント当日にYouTuberと協力して公式アカウントを開設。リアルタイムの情報発信を強化しました。
 また、武庫川女子大学とのコラボレーションにより、高橋ゼミと協力してZ世代女子向けのフェムテック・フェムケア啓発活動を実施。フェムテック先進企業5社と連携し、パンフレット配布やサンプリングを行い、これまでリーチできていなかった層への啓発を進めました。
 
関西コレクションの深化と未来
 イベントのさらなる進化に向け、関西コレクションエンターテイメントを設立。モデルやダンサーを育成するスクールとして、ウォーキングやメイク指導に加え、SNSマーケティングやパーソナルブランディングの講座を提供。美容栄養学やマナー講座など、多岐にわたる学びの機会を用意しています。
 プロダクション事業も展開し、スクール生が企業とのマッチングを通じて活躍できる環境を整備。パリコレ出演者を輩出するなど、世界で通用する人材の育成にも注力しています。
 さらに、地方創生の一環として、商店街でのランウェイイベントを開催し、地域との連携を深めています。今後は海外展開にも注力し、日本のエンターテインメント文化を世界へ発信することを目指しています。
 
集合写真
 
【サロンを終えて】
 関西コレクションの成長と未来の展望について、中川社長のお話から「環境が人を変える」という大きな可能性を感じることができました。
 特に印象的だったのは、「時代とターゲットは変化する。だからこそ、自分の考えを押し付けるのではなく、その世代が何を求めているのかを徹底的に考え抜くことが重要」というマーケティングの本質に通じる言葉です。
 今回の貴重な講演をしてくださった中川社長、そしてご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げます。
 
(文責:三木 政英)

 
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