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研究報告会レポート

第10回地域活性化マーケティング研究報告会レポート「持続可能性研究からみた地域活性化事例:ポートランドを中心に」

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テーマ:「持続可能性研究からみた地域活性化事例:ポートランドを中心に」
報告者:京都府立大学 公共政策学部 准教授 川勝 健志 氏
日 程:2017年2月24日(金)18:00-19:50
場 所:電通 京都支社 会議室

 

【報告会レポート】
 ポートランドの地域活性化については、当研究会でも数回にわたり研究報告がなされてきたが、今回は持続可能性研究の観点からポートランド地域を研究されている川勝先生から、同市の地域活性化の特徴をご報告いただいた。
 具体的には、ポートランド市は人口、雇用を伸ばしつつもCO2排出量を削減していること、それを実現するコンパクトで自動車より自転車・公共交通機関を重視する都市政策、人々が集い交流する場をつくる街づくり、新しいタイプの市民社会ガバナンスの形成とソーシャルキャピタルの発展などについて詳しく解説された。さらにポートランド地域行政の特徴や、住民と行政との間で何度も対立を繰り返しながらも「話し合いの場」を制度化することで歴史的に築いてきた両者の関係とそのプロセスを通じた人づくりが、都市運営の成果をあげているということなどが報告された。
 また後半では当研究会の研究課題でもある地域活性化評価指標の考え方に関して持続可能性研究の立場から提示され、出席者メンバー全員で意見交換を行った。
 
報告者の川勝氏(中央) 会場でのディスカッション風景
写真左より、報告者の川勝氏(中央)、会場でのディスカッション風景
 
【報告会を終えて】
 ポートランドの地域活性化は、日本の多くの地域の活性化事例のように一部の地域メンバーが頑張って企画・推進し地域をリードするという取り組み方(それで進まないのに悩んでいる)というのではなく、ポートランドに住む人々が自分らしい生活スタイルで活動することが、とりもなおさずその地域価値を創造し高めており、地域活性化そのものになっているということである。このような基本視点をもたないと地域活性化の本質が見えてこないということを川勝氏の報告で改めて認識した。後半の地域活性化評価指標の考え方も、「マーケティングカンファランス2013」で我々企画運営メンバーが研究報告をしたアプローチに近いものであったので、メンバーとしてもその方向で2017年度以降も研究を深めたいと気持ちを新たにした次第である。
 当研究会は、第10回にして初めての関西地区での開催とあって研究報告会への初めての参加者も多く、また関西の研究者、実務者、ビジネススクール生の学会員が揃い、幅広い意見交換ができ盛会であった。会場をご提供いただいた電通京都支社、並びに社員の方々に心から厚く御礼を申し上げる。
 
参加全員での集合写真
参加全員での集合写真
 
(プロジェクトリーダー:宮副謙司)

 
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