第4回場所と地域のブランディング研究報告会レポート「 縁活-市民活動×百貨店」 |
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テーマ:縁活-市民活動×百貨店
報告者:岸本 啓史 氏((株)近鉄百貨店 あべのハルカス近鉄本店 催事課 縁活担当)
ファシリテーター兼司会:小林 哲(大阪市立大学 教授)
日 程:2020年11月26日(木)19:00-20:30
場 所:Zoom使用によるオンライン開催
【報告会レポート】
オンライン開催となった研究会では、首都圏や関西だけでなく、北陸や東北等を含め20人ほどご参加頂きました。まず近鉄百貨店の岸本氏から、縁活(えんかつ)プロジェクトの意義と活動内容についてお話頂いた後、参加者からの質問が活発に続きました。
市民活動団体やボランティア・地域の方々・百貨店・そしてお客さまが一緒に、日々の暮らしや社会をちょっとよくする活動を、楽しみながら継続して行っていくプロジェクトである縁活。百貨店をコミュニティの拠点として捉え、パブリックスペースをつくることと百貨店の誘客の両立を目指した取り組みはCSV(Creating Shared Value)として捉えられるでしょう。
岸本氏による講演風景
縁活ではおよそ350の市民活動団体が近鉄百貨店内のスペースを活用し独自のプログラムを展開するとともに、約150名のボランティアがCSRと呼ばれる支援活動を行っています。地域との結び手(Concierge)、市民活動団体のプログラム支援(Supporter)、縁活にかかわる取材や発信(Reporter)など、ボランティアが自主的に役割を認識し活動していると言います。縁活はその立ち上げに際し、コミュニティデザインで有名な山崎亮氏が代表を務めるstudio-Lの協力を得ました。30の市民活動団体を招いての方向性の共有は、百貨店としては新鮮でありNPOとの関係づくりに学びがあったそうです。
こうして幅広いステークホルダーとの関係によって成り立つ縁活。当初は取引先や担当外の部署から違和感を持たれたそうですが、催し物の集客効果やKPIの共有、何より多くの団体が目に見える形で関わっていることから、今では肯定的に受け止められているようになりました。
地方だけでなく都市でも人々が集い、交流ができる居場所が少なくなる中で、縁活は百貨店の原点を再考し、商業施設と地域との関係のあり方を考えさせてくれました。
参加者との記念撮影
<場所と地域のブランディング研究会Facebookページ>
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