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第6回場所と地域のブランディング研究報告会レポート 人が育つ環境としてのプレイスを考える:「これまで」と「これから」の闘争

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テーマ:人が育つ環境としてのプレイスを考える:「これまで」と「これから」の闘争
報告者:瀬戸 昌宣 氏(NPO法人SOMA 代表理事)
ファシリテーター:山﨑 義広 氏(駿河台大学 講師)
 
日 程:2021年2月18日(木)19:00-20:30
場 所:Zoom使用によるオンライン開催
 

【報告会レポート】
 今回のゲスト講師である瀬戸昌宣氏は、コーネル大学で博士号(農業昆虫学)を取得し、同大学で研究と教育に従事していたのですが、思うところがあり、人口約4,000人の高知県土佐町に移住し、NPO法人SOMAを立ち上げたスーパーアクターです。
 
 SOMAの活動として最初に紹介いただいたのは土佐町にあるプレイス「あこ」。土佐弁であそこを意味する言葉から名前をとったそうです。地域という観念的で輪郭がはっきりしないもの(これまで)に縛られず、わたしがありのままにいられる「場所」(これから)をかたちづくる取り組みということで、町の公民館的な場所を目指し、SOMAのオフィスながら、朝から夜まで地域の人たちが集まってくる場所として機能しています。「きまりがない」が唯一のルールということで、セミナや会議が開かれたり、子供たちの放課後の溜まり場やお年寄りたちの昼の交流の場になったりと、地域の人々が自由に使える場所になっています。多様な人々が集まる中で、今は声を押さえなければならない時だといった、パブリックにおける暗黙のルールを、言葉を介すことなく感覚で身につけていく場所として機能しています。
 
 SOMAの二つ目の活動として紹介いただいたのはエデュケーションハブ「i.Dare(イデア)」の取り組みです。社会が大きく変わっているにも関わらず、教育システムは変わっていないという問題意識から、教育とは何かについてご自身の見解を説明してもらいました。educationは人の能力・才能を外に引き出すものであるという本来の意味の下に作られたのがi.Dareという不登校やホームスクーリングの子供達を中心としたプログラムであり、学校教育を補完する仕組みとして機能しています。コロナ禍により、オンラインでの開催を余儀なくされましたが、その結果、オンラインとオフラインのハイブリッド・プログラムが完成し、全国から子供たちを受け入れることができたそうです。
 

 

 
 二項対立から多項共立へ。自治体や学校に任せきりにするのではなく、自分たちも公共をつくっていくという意識を育て、様々な活動に取り組んでいくべきであるという瀬戸さんの考えを体現するようなプロジェクトばかりで、その後の質疑応答では、フロアからも地域の人々の巻き込み方や活動資金の考え方、感性を育てる教育とは何かなど、瀬戸さんの今後のプロジェクトも踏まえた積極的な議論がなされました。
 教育の本質、地域が教育と向かい合うことの意味、日本におけるパブリックの意識やあり方など、人が育つ環境としてのプレイスを考えていく上で、必要不可欠なものだと感じました。瀬戸氏の今後の活動も研究会として追い続けたいと思います。
 

参加者との記念撮影
 
<場所と地域のブランディング研究会Facebookページ>
https://www.facebook.com/placebranding2019/

 
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