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研究報告会レポート

第15回ソロモン流消費者行動分析研究報告会レポート「コロナ禍のシニア消費~変わること、変わらないこと」

#いまマーケティングができること

第15回 ソロモン流消費者行動分析研究報告会(オンライン) > 研究会の詳細はこちら
テーマ:コロナ禍のシニア消費~変わること、変わらないこと
報告者:株式会社ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江 氏
日 程:2021年3月25日(木) 19:00-20:30
場 所:Zoomによるオンライン開催
 

【報告会レポート】
 コロナウィルスの感染拡大で、私たちの生活は一変しました。それは高齢者においても同様です。そこで今回は、研究会メンバーであり、シニア消費者研究・マーケティングのプロである梅津順江さんに、コロナ禍において、高齢者の消費がどのように変わったのか、そして変わらなかったのか語って頂きました。
 ハルメクは50代以上のシニア女性をターゲットに、主に雑誌事業と通販事業を展開しています。梅津さんが率いる生きかた上手研究所は2014年に発足したハルメクのシンクタンク機関です。3,000人を超える研究所モニター組織「ハルトモ」は、取材やワークショップ、アンケート、商品モニターなどのプラットフォームとなっています。
 まず講演では、コロナがシニア女性に与えた影響を3つにまとめて頂きました。
 第1に、時間・消費への価値が変わりました。外で使っていた時間を家で使う必要があり、一人で過ごす、家族で過ごす時間が見直されました。例えば昨年終わりから今年初めにかけては、室内着と外出着の両方として長く使える服を選ぶなど、内と外のボーダレス消費が見られるようになったそうです。
 第2に、免疫力・防衛意識についての変わらない欲求です。オレオレ詐欺などに「だまされたくない」という欲求と、若いときと違って何もしないと衰えるから「免疫力をつけたい」という欲求は以前からありました。それは変わることがなく、意識調査によると、コロナの状況下で心がけていることとして上位2位で選ばれたのは、「情報に踊らされないようにする」と「免疫力を上げる」という回答でした。「免疫力」は、シニア以外の人々にとってはコロナ以降にクローズアップされた言葉ですが、シニア世代にとってはコロナ以前から「刺さる」言葉だったそうです。
 第3に、デジタル化の進行です。コロナより前は、スマホ決済などデジタルの世界と距離を感じる人が多かったそうですが、じんわりとデジタルシフトが起こり始めており、オンラインイベントの参加経験がある人は3割に達しています。シニア世代は、一度、安全と納得すれば、同じサービスを長く使う人々なので、こうしたオンライン座談会などは、今後、定着するだろうと考えられます。座談会では、子世代、孫世代のサポートも得て「できたできた」という成功体験で盛り上がるそうです。
 以上を踏まえて講演の後半では、今後のシニアの暮らしと消費について解説して頂きました。キーワードは「快適性」です。例えば、枕や入眠剤など良質な睡眠サポートや、新しい運動や美容習慣によって免疫力を高めることが求められています。一方で、旅行や衝動買いを楽しむといった実感が伴う消費は、コロナ終息後には戻るだろうとのことです。
 このようにシニア女性は、「おうちで快適」に過ごし、「頑張らず健康」を追求しています。一方で、感染の問題に加えて、お金や健康、年金制度、親子関係などへの不安を抱いています。ハルメクではこうした不安に対するオンからオフまでサポートをしています。
 質疑では、家族構成に応じてシニア女性の消費、生活、終活に対しての態度が違うのかといった質問など、活発な議論が行われました。
 本研究会では、コロナも含めて消費者行動の「変わること、変わらないこと」について、今後も議論をしたいと考えております。またのご参加を期待しております。
 
講演をする梅津順江さん(ハルメク 生きかた上手研究所 所長)
 
講演をする梅津順江さん(ハルメク 生きかた上手研究所 所長)

 
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