リサーチプロジェクト
研究報告会レポート

第8回アート・イン・ビジネス研究報告会レポート「リサプロメンバーによる研究報告会」

#いまマーケティングができること

第8回アート・イン・ビジネス研究報告会(オンライン) > 研究会の詳細はこちら
 
テーマ:リサプロメンバーによる研究報告会
報告者:神谷 泰史 氏(コニカミノルタ株式会社 / TAKT PROJECT株式会社 / 情報科学芸術大学院大学 博士後期課程)
    野澤 智行 氏(福井工業大学 環境情報学部 教授)
司会・ファシリテーター:大西 浩志(中央大学ビジネススクール)
日 程:2023年3月30日(木)17:30-19:00
場 所:Zoomによるオンライン(リサプロメンバーは対面@中央大学ビジネススクール)で開催
 
【報告会レポート】
 第8回アート・イン・ビジネス研究報告会をオンラインで開催し、20名弱の方々にご参加いただきました。本研究会は、これまでアート・マネジメントやアート・マーケティングといった領域で蓄積されてきた知見と実際のビジネスとの懸け橋となる研究を目的としております。今回は、当リサプロメンバーによる研究報告会として、神谷氏から企業のイノベーション活動に現代アートを活用した最新の実験成果のご報告と野澤氏より最新のキャラクター調査のデータと分析結果やご当地キャラの地域ブランディング効果をご紹介いただき、参加者によるディスカッションを行いました。
 
神谷氏による報告の様子
 
神谷氏による報告の様子
神谷氏による報告の様子
 
 研究会の第一部では、神谷氏より「企業のイノベーション活動を促進するバウンダリーメディアとしてのアート」というテーマで研究成果報告をしていただきました。企業におけるイノベーション活動の促進を目的として、SECIモデルにおける暗黙知・形式知の変換を促進する媒体を「バウンダリーメディア」と定義し、国内企業2社における実際のイノベーション活動に対して、現代アーティストがプロジェクトに関する情報をふまえて制作した作品を介入させることで、イノベーションの初期活動を検証した結果をご報告いただきました。今回の実験検証により、バウンダリーメディアの種類によってその機能・役割が異なることが示唆され、アート作品は参加者のインスピレーションを喚起したり暗黙知を思い出させたりする機能があった一方で、参加者が作成したアイデアパネルやスケッチは参加者間の知識の共有や結合に役立てられたという興味深い考察を紹介いただきました。ディスカッションでは実験方法について議論し、客観的な分析のためにどのように統制コントロールができるかなどについて検討しました。
 
野澤教授による報告の様子
 
野澤教授による報告の様子
野澤教授による報告の様子
 
 第二部では、野澤教授より「ご当地キャラの地域ブランディング活用事例」というテーマで、最初に最新のキャラクター調査の結果をご紹介いただき、さらに群馬県の「ぐんまちゃん」を用いた地域ブランディングによって群馬県関連の情報発信等が増え魅力度ランキングの向上につながった事例や高知県須崎市の「しんじょう君」を用いたふるさと納税の増加など、地域活性化のためのご当地キャラの効果的な活用事例を定量調査分析結果とともにご報告していただきました。ディスカッションにおいては、ご当地キャラの役割として地域の防災広報の効果も期待できることなどが議論されました。
 今回は、当リサプロメンバーによる最新の研究報告を行い、実際にビジネスに関わっていらっしゃる学会員の方々にとっても芸術支援活動とその効果を考えるためのよい機会となれば幸いです。また、リサプロメンバーはコロナ禍後はじめて対面での研究会とその後の懇親会も実施し、様々な議論と楽しい時間を過ごしました。
 
 参加者の皆様ありがとうございました。
 
(報告書作成:プロジェクトリーダー 大西 浩志)

 
Join us

会員情報変更や、領収書発行などが可能。

若手応援割
U24会費無料 &
U29会費半額
member