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研究報告会レポート

第5回サステナブル・マーケティング研究報告会レポート「デンマークに学ぶサステナビリティとデジタライゼーション」

#いまマーケティングができること

第5回サステナブル・マーケティング研究報告会(オンライン) > 研究会の詳細はこちら
テーマ:デンマークに学ぶサステナビリティとデジタライゼーション
日 程:2023年2月22日(水)16:30-18:00
場 所:Zoomによるオンライン開催
 
【報告会アジェンダと実施概要】
冒頭あいさつ
サステナブル・マーケティング研究会紹介、本日のアジェンダ・スケジュール案内
ファシリテーター:砂川 和雅 氏(キャスレーコンサルティング株式会社 代表取締役)
 
第一部
デンマークにおけるサステナビリティとデジタライゼーション
ゲストスピーカー:安岡 美佳 氏(ロスキレ大学 准教授 / 北欧研究所 代表)

 

第二部
デンマークに学ぶサステナビリティとデジタライゼーション-マーケティングによって、Well-Beingをいかに設計するか-
スピーカー:青木 茂樹 氏(駒澤大学 経営学部 教授 / オールボ大学ビジネススクール 訪問研究員)

 

第三部
パネルディスカッション
上記スピーカーに加え、以下研究会構成員が参加、視聴者質問の回答を通して、パネルディスカッションを実施
江戸 克栄 氏(県立広島大学大学院 教授)、原 裕 氏(株式会社メンバーズ 執行役員)

 

第一部報告
 なぜ北欧のデンマークでサステナビリティが注目されたのか?をテーマにデンマークでのスマートシティの事例(エコビレッジやパーマカルチャーなど)を通して、サステナビリティへの感度が高い人々により形成され地域での循環経済が実践されていることを紹介。デンマークのサステナビリティへのシフトは、民主主義国家であり福祉国家(電子政府政策・新産業育成)の価値観があったこと、そして、チェルノブイリの原発事故や健康被害により関心も高まる。
 そして、変化できたことのポイントは、以下3点が大きな要因であり、サステナビリティの視点が常識として社会に根付いていることであるとする。
・長期視点:人・組織・社会の変化を考慮
・知る・巻き込む・創る:「行動変容」と「イノベーション」
・つたえる:「伝わる」コミュニケーション
 
第二部報告
 デンマークは電子政府ランキングや世界幸福度ランキングが世界でもトップクラスに位置することやサステナブルな企業ランキングでのデンマーク企業がベスト10に3社ランキングされていること、すでに行われているeラーニングマネジメントシステムや電子教科書、大学を中心としたサステナビリティの推進体制などを紹介。また、デンマークには、リニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへの思想のパラダイム転換があったこと、そして、サステナブルなマーケティングを考える上では、プラネタリー・バウンダリーの考えが求められると結論付ける。
 
第三部報告
 視聴者からの質問に各パネラーが答える形式で活発な意見交換を実施された。日本の電子政府化の遅れと先進的デンマークの取り組みの差異に関する質問があった。安岡氏の回答として、デンマーク政府による説明責任と透明性により社会の理解や認知が深まったことが要因であるとの回答が印象的であった。
 
所感
 日本政府による電子政府の遅れは、デンマークと比較して、国力の衰退であり、社会全体の民度の低下によることを各スピーチやディスカッションを通して実感することができた。
 化石燃料への投資、原発の推進など、サステナブルとは真逆の政策を進める日本に対して、マーケティングの観点から何ができるのか、改めて思考を巡らせるよいきっかけとなった。
 
(文責:萩谷 衞厚)

 
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